※本レポートには作品のネタばれが含まれますのでご注意下さい。
先日、ドラマCD「世界のまんなか イエスかノーか半分か2」の収録が行われました。
今回の収録はコロナウイルス感染症対策に配慮しつつ行われました。
スタジオに入る人数を限定し、プロデューサー、原作者、スタッフは全員それぞれ別場所からのカメラと音声を繋いでのリモート収録です。
メインキャスト2人のみの収録や、その他のキャラクターも時間を区切り、それぞれに分かれての収録となりました。
カメラを通じて原作者の一穂先生のご挨拶が行われ、いよいよ収録がスタートします。
まずはテストから。前作を視聴し、各キャラクターの声質や性格などを確認していきます。
国江田計役の阿部敦さん。
前作に引き続き、王子様的な人気アナウンサーの表の顔と、素の悪態つきまくりの裏の顔という二面性のあるキャラクターを 巧みに表現して下さいました。
もう第一声からまさに計、といった感じの安定感はさすがです。
今回も躍動感たっぷりに生き生きと演じて下さいました。
都築潮役の川原慶久さん。
低い美声ながら、飾らない飄々とした自然体の潮がかっこいいです!
落ち着いた優しいトーンで紡がれる包容力抜群の役作りに、こちらもすぐさまOKが。
本作から皆川竜起を演じられる江口拓也さん。
先生より「竜起は飲み会が好きで軽くて明るいキャラクター」と説明があり、気取らないゆる~い役作りで、こちらも満場一致でOKとなりました。
麻生圭一役の森川智之さん。
旭テレビを代表する人気アナウンサーで、先生からは「仕事はできるが何を考えているのか分からない謎めいた感じ」という イメージが伝えられました。
落ち着いた冷たいトーンで、まさに仕事のできる男!という雰囲気がムンムン。
あまり感情を出さず、得体のしれない雰囲気で「さすが~」と納得の声があがりました。
木崎了役の村田太志さん。
「スッとしたきれい系のイメージ、元々アナウンサー志望なので流暢に」というキャラクター説明に、真剣な眼差しで頷かれる村田さん。
落ち着いた品のある雰囲気で、こちらもすぐにOKとなりました。
その他、前作に引き続き設楽役を務める志村さんをはじめ、各キャラクターの的確なイメージや要望等もキャストの皆さんに伝えられ、
キャラクター設定が終了しました。
テストが終わるといよいよ本番がスタート。
物語は、前作から一年、アナウンサーの計がロケを行っている場面から始まります。
他人の前で見せるスマートな表の顔と毒舌暴言てんこ盛りの裏の顔。阿部さんが計のコロコロ変わる表情を見事に演じられます。
本作でも計の毒舌は健在で、二つの表情のギャップがなんとも面白く、物語の世界へ一気に引き込まれます。
ほぼ全ページ喋りっぱなしの阿部さん。
表の国江田さんの時はソフトなトーンで、まさに『好感度抜群・完璧なイケメンアナウンサー』といった雰囲気。
しかし素に戻るとテンションも一転。だらしなくふるまったり、口調も荒く悪態をついたりする場面は、 あまりの勢いと変わりっぷりにスタッフ一同笑顔に。
そんな計の二面性を色鮮やかに表現して下さる阿部さんは、とにかく計のキャラクターを理解されていて、台詞やモノローグだけでなく、
計のアドリブの動作のSEやちょっとした部分までまさに計そのもの!
役を演じられているという域を飛び越えて、計本人がまさにそこにいるような存在感です。
収録中、スタッフ一同「可愛いです」「良かったです」と終始感心しきりで、ほとんど何も言うことがありませんでした。
そんな計を愛する潮を演じられる川原さん。
計への愛情が何気ない日常の一言一言から溢れんばかりに伝わってきます。
低い落ち着いたトーンの中にも、潮の包容力と芯の強さが川原さんの演技からにじみ出ていて、穏やかで包み込まれるような台詞回しが心地いいです。
「ここはこういう風にやってみたいんですけどどうでしょうか?」「今の潮っぽくなかったかも。もう1回いいですか?」と、
収録中、演技プランを積極的に提案して下さいました。
川原さんの紡がれる、計への熱のこもった演技を聞いてると「こんなに愛されたら幸せだろうな」としみじみ感じさせられます。
さらに、潮視点でストーリーが展開していく後半部分では、潮の計への想いや潮の心情がより一層伝わってきます。必聴です!
もちろん原作に描かれている、二人の日常のテンポの良いやりとりは音声でも遺憾なく表現されています。
前作からそれぞれの役を演じて下さっている阿部さんと川原さん。
そのキャラクターの把握ぶりはまさに計と潮そのもので、ちょっとした台詞のやりとりにすら、キャラクターが本当に生きているような
リアリティーがあります。
丁々発止のやりとりが自然で、コロコロと表情を変える阿部さんの台詞を受けての川原さんの絶妙な返しやツッコミは終始息ぴったり!
物語のテンポの良さをより一層際立たせています。
どこを取っても聞き所の本作。
どこも余すところなく聞いて頂きたいので、このシーンとピックアップするのが難しいですが、スタッフおすすめのシーンをいくつかご紹介します。
潮との関係も順調、幸せな日々を送りつつも、仕事では強力なライバル番組の登場を発端に徐々に心身をすり減らしていく計。
しかもライバル番組に抜擢された木崎は、かつて同時期に旭テレビのアナウンサー試験に落ちた経歴の持ち主で…。
木崎の存在から『好きなこと・やりたいことを仕事にしている人』と『仕事だからやっているという人』との違いに悩み、
劣等感や焦りから計は調子を崩していきます。
普段支えてくれる潮にも素直に弱音を吐けず、落ちていく計。
そんな計の苦しい心の内を、声を潜めたり、震える息遣いの一つまで意識して繊細に表現して下さる阿部さん。
好きでやってるわけじゃないと言いながらも、周囲に振り回されたり心ない言葉に傷ついたり、苦しみながらも手を抜かず仕事に取り組む姿に
胸が痛くなります。
追い詰められて、涙まじりの絞り出すような声が切ないです…。
そんな弱った計にかけられる潮の優しい言葉。
もう本当に「潮最高!!スパダリすぎ!!」と思わずにはいられません!
そして川原さんのあたたかいトーンで紡がれる、愛情溢れる潮に対する計の返事がまた…!!
阿部さんの力いっぱい、腹からの叫びに、この場面に余すところなく計のキャラクターとこの作品の魅力がギュッと詰まっているといっても
過言ではありません!
折れそうになっても自分の力で立ち上がる。
それまで「ううう…」と計と一緒に苦しんでいた気持ちがパッと晴れ、元気になれる、聞いているこちらが鼓舞されるような、
パワー溢れる素敵な場面です。
その後に続く仕事描写もあいまって、仕事への取り組み方、何といっても自分を愛して支えてくれる人の大切さ、
様々なことを感じさせてくれるシーンに仕上がっています。
そして、もう一つはとある出来事から計が記憶を失い、きれいな国江田さんのみの人格になってしまい、揺れ動く潮の場面。
二人を繋いだアクセント辞典のことすら忘れてしまった計にショックを受ける潮。
これまで穏やかだった潮の悲しみや怒りが痛いほど伝わってきます。
その後、きれいな国江田さんも潮に惹かれ、健気に想いをぶつけてくるのですが…。
国江田さんと消えてしまった計の間で揺れ動く潮の心の葛藤を、川原さんが繊細に表現して下さっています。これまた必聴です!
そして計が記憶を取り戻してからの計と潮のやりとりがまた聞きごたえ満点です!
聞いているこちらが「やっぱりこの二人のこういう関係が大好き!」と思われされる絶妙なやりとりに、思わず笑顔がこぼれます。
本領発揮、開口一番「浮気だ」と潮をなじる計と、ホッとする潮。
「きれいな国江田さんの方が好きなのか」と不安になる計に、裏の顔全てひっくるめた丸ごとの計がいいという潮。
計には潮しかいないし、潮には計がふさわしい。
本当に愛情の溢れた幸せなシーンになっています。
これまでの切ないすれ違いの分、幸せになってよかった!と思える素敵なシーンです。
破れ鍋に綴蓋ではないですが、ぴったりはまったお似合いの二人だなとしみじみ幸せな気持ちになれること間違いありません。
その他、飄々としたトーンで計をアシストする竜起や、麻生との緊迫感溢れるやりとりの場面等、とにかくどこをとっても聞きどころ満載に
仕上がっています。
登場する全てのキャラクターが、阿部さんと川原さんをはじめとするキャストの皆さんの熱量溢れる演技によって、
CDから飛び出して目の前に存在しているんじゃないかと思わされるほど生き生きしています。
怒涛の展開はもちろん、明るく笑える場面だけでなく、涙なしでは聞けない場面、聞いていてこちらも頑張ろうと励まされるような場面、
胸キュンのラブラブシーン…と、どこをとっても濃密な内容になっている本作。
皆さんの真摯な演技が胸に響き、時折脚本をめくる手が震えるほどでした!
どのシーンもぜひキャラクターと一緒に一喜一憂して下さい!
肌を重ねるシーンでは、壁ドンからのラブラブな♡シーンや、温泉旅館でのお風呂場♡シーン、『国江田さん』から元に戻った計と潮の♡シーン…と、
どのシーンもボリュームたっぷりに仕上がっています!
計の可愛さ&エロさはもちろん、潮の雄っぽさとセクシーな低音ボイスで繰り広げられる言葉責めは破壊力抜群!
そして何より、潮は計を愛し大事にしていて、計も潮がいないと生きていけないと思うくらい愛情をもっていて――
お互いを想いあい、愛し愛されることって素敵だなと思わされる、本当に素敵な場面ばかりです。
息ぴったりのお二人の演技を是非ご堪能下さい。
キャストの皆さんの熱演により収録は順調に進み、無事本編が終了となりました。
また、メーカー早期予約特典の『阿部さん&川原さんによるフリートーク』。
久しぶりの収録についてや作品の内容・キャラクターに関して、たっぷり濃厚なお話を繰り広げて下さっています。
キャラクターに共感できる・似ている部分、印象に残っているシーンや好きなシーン等、熱く語って頂いています。
他にもお二人のリラックス方法、「自分の仕事のここが好き!」等、わきあいあい、楽しいお話が繰り広げられました。
ぜひぜひこちらもお楽しみ頂きたいと思います。
一穂先生が描かれた魅力的なキャラクターと世界観を音で表現できるように、拘りに拘った収録は無事終了となりました。
2020年12月4日発売『世界のまんなか イエスかノーか半分か2』。
皆さんぜひお楽しみ下さい。
ご購入はこちらからどうぞ!
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