※本レポートには作品のネタバレが含まれますので、ご注意ください。

先日、都内スタジオにてひちわゆか先生の『キャンディミルク』の収録が行われました。
本作品はDisc２枚組、さらに２組のカップルのストーリー構成ということで、数日に分かれての収録となりました。

収録当日、続々とスタジオに入られるキャストの皆さん。
スタジオ内は収録前から和気藹々とした雰囲気。
全員が揃ったところで、キャスト全員の紹介、先生のご挨拶が行われ、テスト収録です。
数シーンを演じていきながらそれぞれのキャラクター設定を行います。

まずは『キャンディ』の収録から。

嘉島匠役の野島裕史さん。
低めの落ち着いた、爽やかな営業マンという雰囲気で演じて下さいました。
はんなりとした物腰が素敵です！
さらに、どことなく守ってあげたい感じを出すために、もう少し柔らかさをプラスして演じてほしいというリクエストが。
すぐさまふんわりした優しげな匠ができあがりました。

新進気鋭の家具デザイナー・上杉紀章役の佐藤拓也さん。
第一声から、低いフェロモン全開の囁き声が破壊力抜群！
からかい混じりの純度100％のドＳっぷりがすさまじいです！
さらに、色気たっぷりのバージョンとは別に、シャープでクールな感じの演技も聞いてみたいという意見が。
それぞれを聞き比べ、仕事の時はクールめに、それ以外は最初に演じて頂いたセクシーさ全開の方向性ですすむことになりました。

その他、キャラクターの的確なイメージや要望などもキャストの皆さんに伝えられ、キャラクター設定が終了しました。

物語は、最初からひちわ先生ワールド＆ＳＭテイスト全開の場面から始まります。
ＳＭクラブを訪れた匠。緊張で震える吐息に、原作の世界観にぐっと引き込まれていきます。

匠を演じられる野島さん。
基本のラインは爽やかで柔らかいキャラクターですが、落ち着いたトーンの中にもどこか憂いを感じさせる雰囲気で、
自分の内面や性癖に対する葛藤、紀章への想いに向き合う時…等、匠の揺れ動く感情を丁寧に演じて下さいました。
清潔感溢れる声音に、どこか嗜虐心をそそるような雰囲気をにじませた演技がたまりません！

「虐められたい、辱められたい」
隠していた性癖を紀章に暴かれ、サディストの紀章と主従関係を持つことになるのですが…。
戸惑いつつも彼の命令に抗えず、自分の心もはっきり分からないままに、紀章との主従関係はどんどん深まっていきます。
繰り返されるSMプレイ。濃厚な行為の場面でも、野島さんが匠の複雑な感情を余すところなく繊細に表現して下さっています。
啜り泣きの中、羞恥と快感と屈辱の表現のニュアンスが絶妙すぎて、終始「素晴らしい…」としか言葉がでないほど！
本当に繊細なニュアンスで、戸惑いや悲壮感、被虐的な行為に抑えきれない興奮が、声の震えや息遣い、
台詞の端々から溢れるように伝わってきます。

紀章の仕事への姿勢、プレイの後に自分に向けられる優しさ。
クールな紀章が垣間見せる寂しさに触れ、どんどん彼に惹かれていく匠。
しかしSMプレイはしても『アナルセックスは恋人としたらいい』と自分を抱かない紀章に苦しさが募り…。
紀章の行動に一喜一憂、心とは裏腹に身体は反応し、心をかき乱される様は何とも胸が苦しくなります。
行き場のない想いに苦しむ匠の心情が健気で切ないです！

紀章を演じられる佐藤さんはとにかくSっ気全開！　
クールな物腰ながらも色気がムンムンといった雰囲気で、とにかくエロス溢れる吐息と
息遣い＆囁きのトリプルコンボに圧倒されるばかりでした。
普段のツンとした雰囲気も素敵ですが、通常モードからガラッと雰囲気が変わり、
サディストの顔が見えるメリハリが素晴らしいです！
甘く優しげに囁いたかと思うと、語調を強めたり、声を潜めて息多めにエロティックな雰囲気たっぷりな言い回しをしたり…。
緩急自在とはまさにこのこと！　
聞いているこちらもキュンとしたりゾクッとしたり萌えたりと大忙しです（笑）。
抗おうとする匠をねっとり搦め捕る紀章の言葉攻めを佐藤さんのセクシーボイスでこれでもか！と堪能できます。

匠を翻弄する紀章ですが、彼の前で弱い表情を見せる場面も。
ペットに関する思い出を振り返るシーンや風邪をひいてしまうシーン、つれない匠に拗ねる場面等、
いつもご主人様としてふるまっていた紀章が内面を垣間見せる場面では、さすがの佐藤さん、
複雑な紀章のキャラクターを細やかに表現して下さっています。
憎めない、可愛いとさえ思えるようなサディストの顔とのギャップにもご注目！

さて、演技派同士のやりとりに、ひたすら「素晴らしいです」と繰り返すだけのスタッフ（笑）。
言うことなし、むしろ圧倒されるばかりで、聞きどころが盛りだくさんの『キャンディ』ですが、おすすめのシーンをいくつかご紹介！

匠が自分の気持ちに悩み、ＳＭクラブに行ったことが発覚し、裏切られたと思う紀章。そんな彼に捨てられたと思う匠。
裏切られた悲しみを感じさせる紀章の言葉と、その後の匠の切ないモノローグが何とも涙をそそります。
野島さんの紡がれる、力ない、声になるかならないかギリギリのラインまで絞った
涙まじりの台詞とモノローグから、自分を責める匠の辛い心情が痛いほど伝わってきて胸が苦しくなります。

そしてその後、匠が「好き」という気持ちを紀章に打ち明ける場面。
切々と苦しい胸の内を吐き出すような演技が切なく、思わず頑張れ！と聞きながら拳を握ってしまうほど。
そして匠の気持ちの吐露を促す紀章の台詞を、佐藤さんが何とも優しいトーンで紡がれます。
匠の気持ちを受け、紀章も自らの本音を伝えるのですが、心の奥からの想いが込み上げたような、
優しい人間味溢れる演技が胸を打ちます。
苦しい胸の内を伝えあい、想いが通じあうこの場面。二人のやりとりは必聴です！

しかし、恋人同士になっても、忙しくなかなか会うことができない二人。
寂しい気持ちを抱えつつも、遠慮して本音を言えない匠と、そんな彼のつれない様子に苛立つ紀章。
クールな紀章が激情を露わにする場面では、佐藤さんが感情を爆発させて、
抱えていた嫉妬や想いを熱く表現して下さっています。
戸惑いつつも、彼の本音に触れ、愛情を感じ喜びに震える匠。
野島さんの震える声と、佐藤さんの優しい愛情溢れる囁きに、胸がキュンとすること間違いなし！
すれ違いや遠慮、紆余曲折あり、心から二人が結ばれた場面は何とも暖かい素敵なシーンに仕上がっています。

そして肌を重ねるシーンはどのシーンも濃厚に、臨場感溢れる仕上がりになっています！
シャツをくり抜いて…の場面、乳首を輪ゴムでくくって…の場面、首輪をして喫茶店で…の場面、上杉の自宅で…。
そして新作のダブルベッドの上で…の場面。
最初は肉体の快楽に戸惑う様、好きになってしまった故の苦しみ、そして想いが通じ合った後のラブラブプレイと、
原作通りのＳＭプレイの場面はもちろんですが、ひちわ先生ファン期待の乳首攻めももちろん執拗なくらい音でも
描いていますので、お楽しみに！

お二人の熱量溢れる演技に聞き惚れているうちに、『キャンディ』の収録は無事終了となりました。

そして次は『ＭＩＬＫ』の収録です。
この日も、先生のご挨拶の後、テストで各キャラクターの声質や性格などを確認します。

まずは来海あつむ役の村瀬歩さん。
数学教師・上杉（兄）に憧れる高校二年生です。
元気いっぱい、可愛さ溢れるお声と演技がまさにあつむのイメージぴったり！
基本ラインはそのままに、自分の気持ちが分からず挙動不審になったり、
右往左往してしまう不器用さをプラスして演じてほしいというリクエストが伝えられました。

上杉（兄）役の興津和幸さん。
あつむの通う高校の数学教師ですが、テストでは草食系を意識した穏やかな雰囲気で演じて下さいました。
ここで、表の顔はそのラインでＯＫ、本来の顔が見えるあつむと二人の場面ではもっとガッツリやってほしいというリクエストが。

興津さん「上杉（兄）は昔からＳで、結構遊んでいたということでいいんでしょうか？」
先生「バリバリ遊んでました（笑）」
興津さん「なるほど（笑）」

というやり取りの後、ガラッとフェロモンむんむん、妖しい雰囲気がありつつも、
知性溢れる先生っぽさもあるキャラクターに。スタッフブースからは思わず「おおー」という感心の声が。さすがです！

さて、キャラクター設定も終了し、物語はあつむが上杉（兄）がＭ奴隷・ＭＩＬＫとメールのやりとりをしていることを知ってしまう場面から始まります。

あつむ役の村瀬さん、やんちゃ感とピュアさ＆可愛さが全開！
可愛い高校生をこんなにナチュラルに演じられるなんてさすがとしか言いようがありません。
あつむが登場すると、村瀬さんの躍動感溢れる演技に場面がパッと明るくなるようです。
拗ねたり、戸惑ったり、照れたり、悩んだり…自由自在、生き生きとあつむの様々な表情を見せて下さいました。
基本は元気なキャラクターですが、内面では上杉（兄）への想いに悩んだり、嫉妬したり…。
あつむの心情を村瀬さんが繊細に表現して下さっています。
さらに、上杉（兄）と距離が近づくにつれて、Ｍとしての快感を感じるようになっていく様が何ともたまりません…！
あつむの爽やかさや明るさの中に、徐々ににじんでくる淫靡な空気感を、絶妙なさじ加減で表現して下さる村瀬さん。
聞いているこちらがドキドキして、思わず背徳感を感じてしまうような破壊力です。
上杉（兄）への想いを自覚し、どんどん気持ちを抑えきれなくなっていくあつむ。
ＭＩＬＫに負けたくない。奴隷でもいい、先生の側にいたい。
あつむの一途な想いが、村瀬さんの切ないモノローグや台詞回しから痛いほど伝わってきます。

上杉（兄）役の興津さん。
弟・紀章がクール+Ｓなら、こちらは穏やか＋Ｓなのですが、優しい雰囲気の中にも何とも底知れないエロスが溢れています。
些細な微笑すら茶目っ気と色気が絶妙で艶っぽく、「そりゃああつむもドキドキするよ…」と思わずにはいられないほど。
特にあつむと二人きりの場面では、ねっとりとした雰囲気が声や台詞回しから漂っていて、優しく囁いたかと思えば意地悪げに笑ったり、
ソフトな雰囲気なのになぜか抗えないオーラすら感じられます。
「ガッツリやって下さい」というプロデューサーの言葉通り、興津さんがあの手この手であつむを手中に収めようとする上杉（兄）を、
思わず平伏したくなるようなフェロモンむんむんの迫力で演じて下さっています。
「お仕置きしますよ……いいね？」「どうしてほしい？」等、興津さんの紡がれる上杉（兄）の台詞の一言一言が素晴らしすぎて…お聞き逃しなく！

さて、『キャンディ』もそうでしたが、こちらの『ＭＩＬＫ』も、お二人の演技にただただ感動＆興奮しっぱなしで、
スタッフブースは「可愛い」「かっこいい…」「エロい」と全員聞き入るばかり。

中でも聞いて頂きたいのが、やはりシュークリームのシーンです。
物語の比較的序盤に出てきますが、もう素晴らしいとしか言いようがありません！
上杉（兄）があつむにシュークリームを食べさせるだけの場面なのですが、それがこんなにセクシーに感じられるとは！
興津さんの吐息混じりの囁き声の威力、村瀬さん演じられるあつむの絶妙な戸惑い＆恥じらい…。何というエロス！！
原作既読の方はお分かりになると思いますが、実際に演じて頂くとその想像を遥かに超えた破壊力がありました。必聴です！

そして、ＳＭプレイの最中、あつむの上杉（兄）への想いが溢れだし、思わず本当の気持ちを吐露する場面。
その前の過激なプレイに興奮していいやら切なくなるやら…！
甘い喘ぎ声の中に混じるか細い「好き…」という台詞に、胸が苦しくなります。
涙まじりの告白に、思わずあつむを応援せずにはいられません。
ピュアさ、可愛さ、健気さ、清潔なエロス…あつむの魅力をギュッと固めたような、村瀬さんの細やかな心情表現にご注目！

一旦はあつむを拒絶する上杉（兄）。
その後、Ｍ奴隷・ＭＩＬＫの正体と、上杉（兄）が本音を吐露し、二人が心から結ばれる場面は胸キュンが止まりません！
必死なほど健気に愛情をぶつけてくるあつむと、そしてそれに優しく応える上杉（兄）のやりとりに、二人が幸せになって良かった！と胸が熱くなります。

そして、お楽しみの♥シーン。
こちらも原作の魅力そのままに、SとMの関係性が濃厚に描かれています。
乳首を糸で結ぶプレイ、そして心が結ばれてからの♥シーンは、セクシーな言葉のやりとりの破壊力がすさまじいです…。
フェロモンの塊と言わんばかりの優しげなのにエロス溢れる台詞回しと、こんな可愛い声でこんなことを言わせて…
というような淫らなセリフやあつむの抑えきれない甘い声には赤面必至です。
どのシーンも刺激的な内容になっていますが、特に愛の溢れる二人の♥シーンにご注目ください。

また本作には、数年後、匠のところにあつむが相談に来る…という『キャンディミルク』も収録されていますので、そちらもお楽しみに。

以上、キャストの皆さんの熱演により収録は順調に進み、無事本編が終了となりました。

購入特典の「野島さん＆佐藤さん、村瀬さん＆興津さんのフリートーク」では、キャラクターについて、共演のご感想、
お題にそったトーク等、盛りだくさんの内容になっています。
内容は手に入れてくださった方のお楽しみなのですが、ちょっぴりお話しますと――。
“もう～濃い！（笑）”“ニップルクリップ（笑）”、“もっとエロく（笑）” “最初からドスケベの香り（笑）”
“エロいと思う物や言葉” 等々、大爆笑の面白トークは必聴です！
ぜひぜひ手に入れてくださいね。

ひちわ先生の書かれた原作の世界観と魅力的なキャラクター達の濃厚な関係性を音で表現できるように、
拘りに拘った収録は、チームワークもよく楽しい雰囲気のまま、無事終了となりました。
２０１６年１２月２８日発売『キャンディミルク』。
皆さまぜひお楽しみに！！


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