※本レポートには作品のネタばれが含まれますのでご注意下さい。
先日、都内スタジオにて『花のみやこで』の収録が行われました。
■収録1日目
1日目は、まず『花のみやこで』のメインカップリングの1組目・基晴と晶の物語から。
原作者の宝井先生のご挨拶の後、作品の世界観やキャラクターについての話し合いがじっくり行なわれました。
本作は前作の『花のみぞ知る』とリンクした内容ということで、前作についてや時代背景、キャラクターの今作での役どころなどが説明されました。
綿密なディスカッションを行ない、テスト収録へ。数シーンを演じていきながら、それぞれのキャラクターの設定を行います。
辻村基晴役の日野聡さん。飄々とした雰囲気が何ともかっこいいです!
抑えた中にもどことなく激情を抱えたような雰囲気で演じて下さいました。
蓮見晶役の野島裕史さん。静かなトーンが、何とも物憂げな雰囲気を感じさせます。
静謐なたたずまいが晶のイメージぴったりです!
お二人ともイメージぴったりということで一発OK。その他のキャスト陣もキャラ作りを終え、いよいよ本番へ。
物語は、基晴の印象的な『東京音頭』の歌詞のフレーズからスタートします。
日野さんの台詞回しが何とも素敵で、原作の世界観にぐっと引き込まれていきます。
基晴を演じられる日野さん。落ち着いた中にもどこか艶っぽいトーンを基本に、かつ憂いさえも感じさせる雰囲気で、
晶への想いを諦めなければならないのに諦めきれない…という揺れ動く感情を丁寧に演じて下さいました。
叶わない恋心を抱いている基晴の切ない感情を繊細に表現して下さる日野さん。基晴の募る想いが、台詞の端々から溢れるように伝わってきます。
晶の行動に一喜一憂し、心をかき乱される様子が本当に胸を打ちます。友達でもいいから側にいたいという一途な想い。
苦しさから逃れようと芸妓遊びに興じて心を偽り、結果、他人を傷つけてしまう自分に自己嫌悪したり…。
行き場のない想いに苦しむ基晴の心情が、日野さんの巧みな演技によって表現されています!
日野さんの紡がれる基晴の晶に対する想いの語りを聞いていると、思わず目頭が熱くなってしまいます。
晶を演じられる野島さんは、控え目ながらも何か心に秘めたような役作りが印象的でした。
静かな声音がイメージぴったりで、晶の持つ芯の強さを引き立てています。
落ち着いたトーンの中にも、要所要所で心の奥に隠された想いを垣間見せたり、様々な感情のニュアンスを載せなければならないキャラクターですが、
そこはさすがの野島さん、聞いているこちらがもどかしく、苦しくなってしまうほどの演技で、晶の心情を表現して下さっています。
さて、作中では過去の回想シーンが数シーン登場します。
基晴と晶が10歳→15歳→18歳と演じ分けをしなければならないのですが、テスト前「10歳いけるかな?」と不安そうな表情のお二人でしたが、
日野さん「(甲高い声で)アー、アー!」
野島さん「(甲高い声で)アー!」
と声だしも万全。本番では、
日野さん「何してるの?」
先生&スタッフ「おお~! すごい!」
野島さん「みっ…見たことない花が…いっぱいあります」
先生&スタッフ「かわいい~♥」
とその可憐な声と演技に、先生・スタッフ一同思わず胸キュンです。
プロデューサーも「すごいね、二人とも!」と大絶賛。年齢も感情も自由自在、ぜひお二人の演じ分けに注目して下さい。
本当はお互い想いあっているのに、その想いを抑え込んで…薄氷をふむような、どちらかが一歩動けば壊れてしまいそうな二人の関係性。
物語冒頭から最後まで、お互いの心情をとにかく細やかに表現して下さるお二人。
友達でもいい、傍にいられるのなら…と思っていた矢先、突然の晶からの口づけに動揺しつつ、思わず期待してしまう基晴。
しかし、その後の晶の「なかったことにしてくれ」という言葉に怒りを覚え、これまで抱えてきた想いをぶつけます。
日野さんの演じられる基晴の台詞から伝わってくる、もどかしいほどの晶への愛と、それを受けてもなお、本当の自分の気持ちを言えない晶。
日野さんと野島さん、お二人のやりとりに耳を傾けていると、その切ないすれ違いに思わず目が潤んできてしまいます。
そして、物語終盤、二人が本当の想いを打ち明ける場面は必聴です!
日野さんと野島さんの演じられる気持ちと気持ちのぶつかりあいは、本当に鳥肌ものです!
お互いがお互いを想いあっているのに、その先に待ち受けるのは――。
抑えた演技の中にも、二人の心情があふれ出ていて、切なくも苦しく、聞いているこちらが固唾をのんでしまうほど胸を打つ場面に仕上がっています。
そして肌を重ねるシーンは、二人の愛情と臨場感が溢れています。
吐息混じりに交わされる二人の本心の吐露に、「やっと結ばれてよかった」という想いと、
結末を知っているが故の切なさがこみあげてきて、正直萌えるやら涙ぐんでしまうやらで大変でした。
基晴と晶、二人の結末はどうなるのか? そして、ラストシーンの数十年後につながる出会いとは…?
二人の切ない恋物語を、ぜひドラマCDを聞いてお確かめ下さいね!
お二人の繊細な演技に聞き惚れているうちに、1日目の収録は無事終了となりました。
■収録2日目
2日目は、御崎役の武内さんと有川役の小野さん方の収録です。
この日も、先生のご挨拶の後、前作の『花のみぞ知る』を試聴し、各キャラクターの声質や性格などを確認します。
不器用で繊細な御崎、明るくさわやかな有川と、それぞれのキャラクターをばっちり把握されているお二人。
その他、有川の姉・真希はサバサバと、母はおっとりふわふわと…と、皆さんテストの必要がないほどで、すぐに本番へ。
本作『花のみやこで』は、前作の『花のみぞ知る』より数年後の物語。同棲をしている二人の幸せなその後が描かれています。
御崎と有川の日常のささいなやりとりはなんとも幸せいっぱいで、前作の切ない擦れ違いを知っている身としては、「よかったね!」としみじみ思わされます。
御崎役の武内さん。相変わらず澄んだ声が本当に御崎にぴったりです。今回も御崎そのものといった演技を聞かせて下さいました。
クールにふるまったり、不器用で言葉がうまく出なかったり。かと思うと、聞いているこちらが赤面するような色っぽい表情を見せたりと、
声だけで今どんな表情をしているかまでも伝わってくるような繊細な表現がもりだくさん。
台詞だけでなく、有川の言葉や行動を受けての台本にない頷きや動作まで、とにかく可愛いの一言です!
今回は有川とラブラブな場面も多いため、「…」と声にならない表現やアドリブを含めた短いセンテンスの単語ですらも、愛情&色っぽさがたっぷりです。
有川役の小野さん。収録中、まさに有川の役どころと同じく、終始明るく現場を盛り上げて下さいました。
明るくさわやかで、かっこいいのにかわいい。そんな有川の魅力を小野さんがナチュラルに自然体で演じて下さっています。
小野さんの絶妙な演技によって、有川が登場する度にパッと場が明るくなるような、そんな存在感があります。
要所要所で御崎をつつみこむ場面での、小野さんの包容力溢れる演技といったら!もう素晴らしいの一言です。
さらに、有川の家族が登場する場面では、超人・有川もたじたじの様子が見られるのですが、そこも普段とは違う有川の一面が垣間見れて、
どことなく人間味が感じられ、キャラクターがより一層身近に思えてきます。
二人がくっつくまでハラハラドキドキだった『花のみぞ知る』に比べると、比較的心穏やかに聞ける本作なのですが、
そんな中でも聞き所はやはり二人がイチャイチャしているシーンでしょうか(笑)。
有川の実家から帰る道すがらの二人の場面。「かわいい」という有川の言葉に反応する御崎のやりとりがたまりません。
お互いがお互いを想いあっていることがしみじみ感じられ、胸がキュンとさせられます。
そして、何といっても物語のクライマックス、事後の朝の場面は涙なしには聞けません!
小野さんの優しい落ち着いた声音で紡がれる言葉と、武内さんの涙ながらの演技に感動しきりです。
孤独だった御崎が有川と出会い、愛し合って、幸せになれてよかったね、と思える本当に素敵な場面です。
そして肌を重ねるシーンは、ラブラブ&色っぽさが満載で聞いているこちらが赤面してしまうようなシーンに仕上がっています。
原作の雰囲気を大事に、丁寧に演じて下さいました。吐息も幸せ感もいっぱい、聞き所満載の場面に仕上がっていますので、お楽しみに。
ちなみに、CDにはコミックスかきおろし部分の「練習」「プレゼント」「甘党」のエピソードも収録されています。こちらもお聞き逃しなく!
以上、キャストの皆さんの熱演により収録は順調に進み、無事本編が終了となりました。
フリートークでは、キャストの皆さん方が楽しいお話を繰り広げて下さっています。
繊細なストーリーを演じきった後ということで、その反動か、キャストの皆さん方はハイテンション!
野島さん&日野さんコンビは「昨日はお酒を控えた(笑)」「おみくじにキュンときた」…等、
そして武内さん&小野さんコンビは、有川の小学生時代の場面のお話で大盛り上がり! と、
収録のご感想や印象に残っているシーン、キャラクターについてなど、わきあいあいとお話しして下さいました。
盛りだくさんの楽しい内容になっていますので、皆さんお楽しみに!
2014年3月28日発売『花のみやこで』。皆さんぜひお楽しみ下さい!!
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