Atis collection

[Atis collection] >> [Recording Report] >> [なんか、淫魔に憑かれちゃったんですけど]

Recording Report

なんか、淫魔に憑かれちゃったんですけど 収録レポート



2月某日、都内スタジオにて「なんか、淫魔に憑かれちゃったんですけど」の収録が行われました。

収録当日。続々とスタジオに集まってこられるキャストの皆さん。
仲の良い方揃いということで、スタジオ内は開始前から笑い声に溢れていました。
全員が揃ったところで、キャストの方々の顔合わせがあり、その後テスト収録へ。
数シーンを演じていきながらキャラクターの設定を行っていきます。

美和孝博役の鳥海浩輔さん。
38歳という年齢を意識され、少し低めのトーンを使い、若干くたびれた様子と気だるい雰囲気を出して下さいました。
まさに美和そのものの演技に、テストのまま進んで頂くことになりました。
さらに、本作品はファンタジーかつコメディータッチの部分もあるため、適度にメリハリをつけて演じてもらえるよう要望が伝えられました。

渡瀬透真役の羽多野渉さん。
渡瀬は和風な男前ということで、すっと芯のある雰囲気で演じてくださいました。
落ち着いた声色で、一本筋の通っている佇まいを感じさせる演技がなんともかっこいいいです。
第一声からスタッフ一同イメージ通りということで、こちらもそのまま進んで頂くことになりました。

オヤジ妖精役の緒方賢一さんと鈴木達央さん。
今回は、精気を失い体が縮んでしまった時の妖精(淫魔)を緒方さんが、そして本来の姿に戻った妖精を鈴木さんが演じてくださっています。

オヤジ姿の妖精を演じてくださった緒方さん。
見た目はひげ面で小汚いオヤジ妖精…ではありますが、茶目っ気たっぷり、愛敬のある雰囲気で演じてくださいました。
うらぶれたオヤジっぽさを表現されつつも、どこか可愛らしく思える演技がまさにキャラクターのイメージそのもの!
緒方さんの魅力的な演技にさらに欲が出てしまうスタッフ一同。オヤジですが可愛らしい雰囲気はそのままに、声のトーンを少し高めにして頂き、
さらにマスコットっぽさとコミカルさを前面に押し出した演技パターンも聞かせて頂きました。
どちらのパターンも捨てがたく、「どっちもいいですね~」と全員で悩みましたが、基本のラインはオヤジっぽさを意識して頂き、
要所要所、面白い場面や勢いのある場面では高めのトーンを使いコミカルさを強調させて…と場面ごとに色んな表情を表現して頂くことになりました。

そして、先に演じられた緒方さんの圧巻の演技に緊張気味の鈴木さん。
オヤジ妖精の本来の姿はハーフのような端正な顔立ちの美青年です。「よし、がんばるぞ!」と鈴木さん。
緒方さんが作り上げられたキャラクターを残しつつも、イケメンに変身したオヤジ妖精を演じてくださいました。
こちらも基本のラインはOK、さらに小人時のオヤジっぽさと大きくなった時の超絶イケメンっぷりとのギャップを強調するために、
色気を乗せて演じて頂くことになりました。

橋詰役の川原慶久さん。
第一声からフェロモンむんむんのいい男っぷりな橋詰を演じてくださいました。
隣で聞かれていた鳥海さんも思わず「相変わらずいい声だなぁ~」とつぶやかれるほど。
キャラクターそのもののようなチャラさと色気たっぷりな演技に、こちらも一発OK。
そのまま本番へ進んで頂くことになりました。

また、その他の各キャラクターのイメージや要望などもキャストの皆さんに伝えられ、キャラクター設定が終了しました。

テストが終わりいよいよ本番。
冒頭からキャストの皆さんの息ぴったりの演技に、収録はスムーズに進んでいきます。

鳥海さんの演じられる美和は、どこか気だるげな雰囲気を持ちつつも、部下たちから慕われる兄貴肌なところがあるとても素敵なキャラクターです。
また、“御頭”と部下たちから呼ばれるほど口が悪いところがあるのですが、乱暴な口調で話しつつも、さりげなく色っぽい雰囲気もセリフに乗せて、
オヤジ妖精の力により周りの人を惹きつけてしまうことになった美和を演じてくださいます。
若干枯れたような雰囲気と、どことなく漂う艶っぽさ。絶妙なさじ加減で演技をされる鳥海さん、まさに美和のイメージにぴったりです。

また、鳥海さんの演じられる美和がオヤジ妖精にとり憑かれてしまい、目の前に現われては男をゲットしろ、誘惑しろ…等、
脳内でも騒ぐオヤジ妖精と美和のやり取りは全編を通して必聴です! 
テンション高く、突拍子もない発言をするオヤジ妖精に驚いたり、怒ったり、イライラしたり…早口でまくし立てたり、
あえて大きめのリアクションをとったりと、メリハリをつけてテンポ良く演じて下さいました。
その他、オヤジ妖精以外のキャラクター達とのやりとりも、鳥海さんの味のある演技で何とも面白い場面になっていますので、
ぜひお聞きください。

そして羽多野さんの演じられる渡瀬は、あまり感情を表に出さないのですが、その胸の内はとにかくまっすぐで一途です。
男と寝ようとする美和の心意がわからないまま、体をつなげることになった渡瀬。
何度も関係をもつうちに、美和への想いが溢れ、相手の気持ちが自分にないことを知りながら、
このまま体をつなげていくことの辛さを吐露してしまい、そんな渡瀬に美和は関係をやめようかと提案し…。
ですが傷ついた想いを再び胸の内に隠し、そのまま関係を続けようとする渡瀬。
羽多野さんが渡瀬の言葉にできない複雑な感情を台詞の端々に乗せて演じられます。
行き場のない美和への感情があふれ、苦々しい、悲しみを秘めたセリフ回しはさすがの一言です!

美和が渡瀬と体を重ねる元凶になったオヤジ妖精。
緒方さんの演じられるオヤジ妖精(小人バージョン)は、自分本位で勝手な言動をしていても、
どこか可愛らしくて憎めない。オヤジ妖精が登場するたび、思わず笑みがこぼれます。
勢いのあるセリフ回しで生き生きとオヤジ妖精を演じられる緒方さん。
スタッフブースからは、オヤジ妖精のあまりの可愛さ、面白さに終始笑い声があふれていました。
また、緒方さんが所々に絶妙なアドリブを入れてくださっていますので、そこも必聴です!
美和の体の中に入るSEや、狂喜乱舞し小躍りしているオヤジ等々…緒方さんの軽快なアドリブにより、
オヤジ妖精の存在がよりコミカルで愛敬のあるキャラクターへと仕上がりました。
まさに緒方節炸裂の演技にぜひご注目ください!

美和に取り憑き、着々と精気を補充するオヤジ妖精。精気がたまり本来の姿に戻ると…!
緒方さんとバトンタッチし、鈴木さんがキラキラと輝かんばかりの美青年に変身したオヤジ妖精(本来の姿バージョン)を演じられます。
小さい姿の時と大きい姿の時、見た目は全くの別人ですが、性格は変わらず…(笑)。
鈴木さんが色気のあるイケメンを演じながらも、要所要所で緒方さんの台詞回しを意識してコミカルな部分を滲ませ、
とても生き生きと表情豊かに演じてくださいました。
大きくなったオヤジ妖精の出番はあまりありませんが、印象的な場面になっています!

橋詰を演じられる川原さんは、ザ・二枚目といった華やかなイケメンっぷりが本当にかっこいいです!
言葉の端々にまで男の色気が漂っています。
相手には苦労しないであろういい男・橋詰と、美和が妖精の魔法によって体を重ねてしまうシーンでは、感情のない関係がなんとも寂しく…。
カットの声がかかると「心のない行為ってむなしい…」とつぶやかれる川原さんでした(笑)。

渡瀬から向けられる一途な愛情に心を動かされ、美和の感情も大きく揺れ動き、自覚のないままどんどん渡瀬に惹かれていきます。
そんなとき、タイミング悪くも本来の姿に戻ってしまうオヤジ妖精。
もう精気を得なくてもよくなった美和は渡瀬とこのままの関係を続ける必要がなくなるのですが…。
渡瀬との関係を解消してから、渡瀬の名前を聞くたび、姿を見るたびに胸を痛ませる美和。
失って初めて自身の気持ちに気付き、自嘲する姿は、切なく胸が締め付けられます。
鳥海さんが、美和の苦しい心情を繊細に表現してくださってます。ぽつりとつぶやく姿は本当に切ないです。

一方、橋詰と美和が結ばれたと勘違いし、美和から離れる渡瀬。ですが、自身の気持ちを抑えきれず、
強引に美和と体をつなげるのですが…。美和を抱きながら何度も「好きだ」と想いを告げる渡瀬の姿がなんとも痛ましく、
聞いているこちらも胸がしめつけられます。
羽多野さんが震える声で、絞り出すように渡瀬の想いを吐きだしてくださっていて、その溢れんばかりの葛藤、悲しみに心が震えます。
美和と渡瀬。すれ違う二人のそれぞれの気持ちを鳥海さんと羽多野さんが見事に表現してくださっています。

さて、気持ちの擦れ違いが続いた分、想いが通じ合ったシーンはとても微笑ましいシーンに仕上がっています。
美和に抱きつき「すげ…うれし…」とつぶやく渡瀬。
そんな彼を見つめて愛おしそうに優しく微笑む美和。甘く幸せそうな二人に、よかった! と思わずこちらも嬉しくなってしまいます。

そして、肌を重ねるシーンでは、その場面ごとのキャラクターの感情を丁寧に表現して下さっています。
オヤジ妖精がとりつき、精気をもらうため初めて美和と渡瀬が関係を持つシーンでは、
初めての行為に戸惑いつつもオヤジ妖精の魔法と渡瀬の愛情たっぷりな行為に溺れ乱れる美和…。
そんな美和の快楽に乱れた姿に普段のストイックな渡瀬とは一変、暴走を抑えきれないといった様子で…!
他にも、オヤジ妖精のせいで様々な人を誘惑してしまう美和に対して渡瀬がお仕置きをするシーン、
橋詰との関係を誤解して強引に…のシーン、二人の気持ちが通じあった後の幸せラブラブなシーンと満載です!
本当にどのシーンも色っぽく、かつ熱のこもった場面に仕上がっています。
若さと想いの強さゆえに暴走しがちな渡瀬を演じられた羽多野さんは、OKの声がかかると酸欠により倒れこんでしまうほど…!
全力投球で熱演されたお二人の演技をぜひお聞きください。

なごやかな雰囲気のまま収録は順調に進み、無事に本編部分が終了となりました。

そして、購入特典の「鳥海さんと羽多野さんによるフリートーク」では、収録後の感想、キャラクターと似ているところ、
不可思議な体験について、昔と今で食べられなくなったものは? など、盛りだくさんの内容となっております。
内容は手に入れてくださった皆様のお楽しみなのですが、ちょっぴりお話しますと――
羽多野さんが家に入れてもらえなかった時の話…。焼肉のプロフェッショナル鳥海さんからのアドバイス…。
などなど、和気あいあいとしたお二人のトークは必聴です! 皆様ぜひぜひ手に入れてくださいね。

松雪奈々先生の書かれた魅力的な世界観とキャラクターを音で表現できるように、拘りに拘った収録は無事終了となりました。
長時間の収録でお疲れにもかかわらず、「お疲れ様でした~」とにこやかにスタジオを後にされたキャストの皆さん。
本当にお疲れ様でした!
3月28日発売、「なんか、淫魔に憑かれちゃったんですけど」。皆様ぜひお楽しみください!!


▲ 上に戻る

Copyright