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Recording Report

やすらかな夜のための寓話 収録レポート


先日、都内スタジオにて『やすらかな夜のための寓話』の収録が行なわれました。

本作品は、慈英×臣シリーズ作品集『やすらかな夜のための寓話』より『雪を蹴る小道、ぼくは君に還る』と
『ネオテニー〈幼形成熟〉』を音声化した物になります。
シリーズ第6弾『はなやかな哀情』に続くにあたり、必要不可欠なエピソードの描かれた作品ということで、
今回CD化が決定しました。本作も引き続き原作者の崎谷先生が脚本を執筆して下さっていて、
原作の世界観を損なわない素敵な内容になっています。

収録当日。続々とお馴染みのキャストの方々が集まって来られます。
キャストが揃ったところで、キャストの紹介と崎谷先生からご挨拶がありました。
「久しぶりですが、何も言うことはありませんので皆さんにお任せします」と仰る先生。
スタッフからも、「このシリーズは非常に人気があって、もう5作目で…こんなにシリーズが続くのも素晴らしい原作と
キャストの皆さんの素晴らしい演技のおかげです」という言葉が出ると、「おだてても何も出ないですよ(笑)」との声が。
始まる前からなごやかな雰囲気で、チームワークばっちりです。

ご挨拶を終え、テストへ。数シーンを演じていきながらそれぞれのキャラクターの設定を行います。
臣や慈英、照映などのお馴染みのキャラクターについては、前作の声を聞きながらキャラクターの確認をしていきます。

明るく溌剌とした臣、浮世離れした雰囲気の慈英、男っぽい照映、さわやかでダンディーな浩三と、
約3年ぶりにも関わらず、それぞれのキャラクターをばっちり把握されているメインキャストの皆さん。
皆さんテストの必要がないほどで、すぐに本番へ。

そして今回初登場・志水朱斗役の梶裕貴さん。小動物のようなオドオドした雰囲気がとっても可愛いです。
さらに先生から「もっとポワンと天然っぽくてもいいです。子供っぽい感じで」というリクエストを頂き、
「ポワーン、ポワーンと…幼く…」と何度も繰り返されていました

こちらも初登場の弓削碧役・鈴木達央さん。生意気で尖がっている、慇懃無礼な碧を演じて下さいました。
イメージぴったりの演技に、先生も「何も言うことはございません」と納得のご様子。
その他、それぞれのキャラクターの設定・確認も終わり、いよいよ本番へ!

『雪を蹴る小道、ぼくはきみに還る』

本作の『雪を蹴る小道、ぼくはきみに還る』は、シリーズ第2弾の『ひめやかな殉情』より数ヵ月後の物語となります。
苦手なパーティーに一人で嫌々出席し、物憂げな慈英。三木さんの演じられる、うんざりしつつ愛想笑いを浮かべる様子が
「ああ慈英だなぁ」と懐かしく感じられます。

第一声からまさに慈英そのものといった三木さん。本番前、動きや動作、台詞の意図について入念に確認されるのですが、

P 「先生どうでしょうか?」
先生 「仰るとおりですので慈英さんにお任せします(笑)」
と、先生が三木さんのことを『慈英さん』と仰るほどのキャラクターの把握っぷりでした。

パーティーで出会う朱斗と慈英。
朱斗は本来は関西弁のキャラなのですが、実は朱斗役の梶さん、スタジオ入りされてすぐスタッフブースに来られ、
「僕、東京出身なんですけど、関西弁大丈夫でしょうか…?」と不安そうにされていたのですが、
「脚本でほとんど標準語に直してありますし、あんまり気にしなくて大丈夫ですよ」と先生に暖かい言葉をかけられホッとされていました。
そんな心配もなんのその、ところどころ関西弁になる部分もとっても可愛いです!
特に料理を口に頬張り、「うわ、うっま!」と言うシーンでは、思わず先生、スタッフも笑顔になってしまうほど。
まるで愛らしい小動物のようで、登場場面が少ないのがもったいないほどでした。

そのパーティーに参加している碧役の鈴木さん。ホンワカした朱斗とは正反対の、ツンツンした碧がとても魅力的です!
慈英に対し、強いライバル意識を抱いているにも関わらず、全く相手にされず、そんな悔しさが更に彼の態度を硬化させるのですが、
身振り手振りをしながら、強気に振舞う碧を表現して下さる鈴木さん。
その弱さを見せまいとする尊大な振る舞いになんとも碧らしさが現れていて、「碧、若いね」「青いなあ」と思わず思わされます。

長野でお留守番の臣役・神谷さんは、三木さんに負けず劣らず、今回も臣そのものといった演技を聞かせて下さいました。
年上の落ち着きを見せて、優しく慈英をなだめたり、子供っぽく甘えたり。かと思うと、聞いているこちらが赤面するような色っぽい表情を見せたりと、
まさに変幻自在、声だけで臣が今どんな表情をしているかまでも伝わってくるようなリアリティーがあります。
台詞だけでなく、三木さんの演じられる慈英の言葉や行動を受けての、台本にない頷きや動作まで、とにかく可愛いの一言です!
特に今回は慈英とラブラブのシーンが多いため、「ふふ」「ん」「あ」等、アドリブを含めた短いセンテンスの単語ですらも、
甘え&愛情&優しさたっぷり! 臣さんファンは必聴です!

『ネオテニー〈幼形成熟〉』

慈英と照映の過去を中心に、慈英の子供時代、青年時代の照映の心の葛藤を描いた本作。
時間軸としては、照映視点の回想場面は、慈英13歳、照映18歳の16年前。
臣視点の部分はシリーズ第3弾の『あざやかな恋情』より数ヶ月後の物語になります。

照映役の風間勇刀さん。今回は18歳の照映と34歳の照映を演じて下さいました。
34歳の照映は前作に引き続きイメージぴったり。飾らない豪快な雰囲気がとてもかっこいいです。
18歳の回想シーンでは極端に若さを意識せず、元々の照映の持つがらっぱちな雰囲気を残して、ナチュラルに、
ニュアンスで若さを表現して頂くことになりました。

そして、今回13歳の慈英を演じられる中西英樹さん。大先輩の子供時代を演じるということで、かなり緊張されていました。
特に慈英はある意味特異なキャラのため、先生の「慈英は臣とであって人間らしさが出てくるんです。ここではとにかく無感情に、淡々と」
というリクエストに真剣な面持ちで頷かれる中西さん。
更に三木さんの演技を確認され、間や雰囲気を若干意識して演じて頂くことになりました。

過去の回想場面は、照映のナレーションとモノローグで物語が進んでいきます。
一風変わった慈英と、絵に打ち込む青年・照映。突飛な発言と行動を繰り返し、人間らしさや子供らしさを感じさせない少年・慈英と、
まだ青さを残す照映のやりとりは何ともユニークで面白く、且つどこか切なさも漂っています。
これまで慈英と臣をからかいつつも見守ってきた照映の心の内や、絵を諦めることになったとある出来事――。
これまで見せなかった照映の新たな一面を、風間さんが繊細に表現して下さっています。
慈英の理解者・照映の内面と、彼らの深い関係性に迫る重要なエピソードをぜひご堪能下さい!

そして現在に戻り、臣と慈英の元へ、とある絵を持って照映がやってくる場面。
仲のよい慈英と照映の二人にやきもちを焼く臣と、そんな臣をからかう照映、のんびりした慈英。
嫁と姑のような二人と、飄々とした夫(?)のような慈英。
3人の丁々発止のやりとりがとっても楽しい場面に仕上がっています。
そして、臣に渡された一枚の絵――。
絵とともに臣に全てを渡す、照映の潔さ、かっこよさ、懐の大きさ。
長い間、ただ一人の理解者だった照映が離れてしまったようで切なく、寂しさや心もとなさを感じる慈英。
そんな慈英を受け止め、絵ごと照映の気持ちも受け取った臣。
三者三様の想いが交差する重要な場面は、お三方の熱い演技のおかげで素敵なシーンに仕上がっています。必聴です!

どのシーンもとにかく聞き所満載なのですが、本作の『雪を蹴る小道、ぼくは君に還る』『ネオテニー〈幼形成熟〉』ともに、
慈英と臣、二人のラブラブなやりとりが散りばめられていて、全編を通してぜひその幸せ感をご堪能頂ければと思います。

慈英が長野に帰ってきてからのラブラブいっぱい、糖度高めの二人のやりとりは、聞いているこちらが「幸せでよかったね!」と
ニコニコ&赤面してしまうほどの破壊力です。
落ち込んでいる慈英の甘えたような声音や、ちょっと強引な仕草。拗ねて怒ったり、恥らう顔を見せる臣。
普段のささいな二人のやりとりさえ、愛に溢れていて、胸がキュンとさせられます。
二人のやりとりを聞いていると、全員が口をそろえて「慈英かっこいい…」「臣さん可愛い…」という呟きしか出てこないほど、とにかく破壊力抜群!
肌を重ねるシーンもボリュームたっぷり、盛りだくさんになっています。終始甘い雰囲気の漂う二人の会話に、聞いているこちらも幸せ感いっぱい、
「愛し合うっていいな」と思わされること間違いなし!
細かいやりとりまで、お二人で相談をされながら、どのシーンも聞いているこちらがドキドキするほど素敵に演じて下さいました。
なごやかな雰囲気のまま、収録は順調に進み、無事に本編部分が終了となりました。

本編終了後、エンディングと特典フリートークでは、三木さん&神谷さんが楽しいお話を繰り広げて下さっています。
こちらも盛りだくさんの内容になっていますので、皆さんお楽しみに!

引き続き、最新作『はなやかな哀情』のドラマCDリリースの予定もあり、ますます盛り上がる慈英×臣シリーズ。
ドラマCD「やすらかな夜のための寓話」、2011年6月28日発売です! お楽しみに!

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