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Recording Report

犬と小説家と妄想癖 収録レポート


11月下旬、都内スタジオにてドラマCD「犬と小説家と妄想癖」の収録が行われました。
収録開始前。仲の良いメンバーが揃ったということで、皆さん和気あいあいとしたご様子。始まる前からチームワークもばっちりです。

全員が揃ったところで、キャストの皆さんの顔合わせと原作者の高遠先生のご挨拶が行われました。先生の「皆さんにお任せします」との言葉と、
プロデューサーからの「上手い方々ですので大丈夫ですよ」という言葉に、

三宅さん 「え…? えぇ!?(驚・苦笑)」
全員 「(笑)」
と、スタジオが笑い声に包まれました。

収録開始。まずはテストで数シーンを演じていきながら、それぞれのキャラクターを設定していきます。

鮎川智久役の近藤隆さん。
少し高めの声色で、純情そうな雰囲気を出して演じてくださいました。その雰囲気はまさに鮎川そのもの! 
さらに基本のラインはそのままに少し線を細く意識して頂き、でも鮎川の人見知りで神経質という性格を出していただくため、
弱々しくはならないように意識して演じて頂くことになりました。

不破明良役の三宅健太さん。
ワイルドで明るく、フレンドリーな人柄を押しだした不破を演じてくださいました。
加えて、親しみやすさは残したまま、男前で二枚目な面をもっと出して頂けるようリクエストが。
悩まれつつも見事なまでに演技に反映して下さる三宅さん。かっこよさが倍増です! 
三宅さんの低いトーンの声色を使って、不破の持つ包容力や色気、落ち着いた雰囲気を意識して演じていただくことになりました。

沖屋統役の鳥海浩輔さん。
皮肉っぽい口調の中に少しさわやかな雰囲気も滲ませて演じてくださいました。
さらに先生から、もう少し意地悪な様子と色っぽさを出して欲しいとのリクエストが伝えられ、
すぐさま沖屋がまさに癖のあるクールビューティーなキャラクターに。さすがです!

また作中では、大学生時代の鮎川と不破が登場するシーンがあるのですが、お二人とも極端に若さを意識せず、
ニュアンスで若さを表現するようプロデューサーよりアドバイスが。
その他の各キャラクターの適格なイメージや要望などもキャストの皆さんに伝えられ、キャラクター設定が終了しました。

テストも順調に終了したところで、突然体を動かし始める三宅さん。
本作品では不破と鮎川の二人のやり取りが多いため、メインのお二人の台詞量は膨大。
台本をめくってもめくっても喋りっぱなしという本番の前に、気合を入れられる三宅さん。
一緒に近藤さんも身体を動かし準備が整ったところで、いよいよ本番がスタート。

物語の冒頭、官能小説家の不破が利き腕を骨折してしまったことにより、鮎川が口述筆記をして仕事を手伝うシーン。
官能小説ということできわどいセリフ(笑)を口にする不破ですが、三宅さんが淡々とした口調で不破の頭の中で考えられた小説を声に出していきます。
一方で、セクシーな言葉の連続に思わず叫びだす鮎川。あわあわとした様子を近藤さんが声をどもらせて表現してくださり、
お二人のテンポの良いやり取りに思わずくすっと笑いがこぼれます。

不破の口から官能的な言葉を聞いているうちに、彼を意識してしまい、7年前にあった出来事を思い出してしまう鮎川。
場面は二人が大学生だった時へと遡り…。
回想シーンでは、大学生の不破を三宅さんが少し声のトーンを上げてさわやかに演じてくださっています。
お酒に酔った鮎川の言葉に、隠していた想いを押さえきれず暴走する不破。
三宅さんが溢れる気持ちをセリフにのせて、こらえ切れない切羽詰った不破の様子を見事に表現されています。
そして、鮎川の泣く姿を見て我に返る不破…。好きだからこそ苦しめたくない。
自分の気持ちを押さえ込んで、「冗談だから忘れてくれ」と鮎川にかける言葉がとても切なく、聞いているだけで胸が締め付けられます。

同じく大学生時代の鮎川を、近藤さんが幼くなりすぎないよう、声のトーンはあまり変化させず雰囲気で若さを表現してくださっています。
暴走する不破に驚き混乱する鮎川を、声を震わせながらセリフを紡ぎ、怯えと戸惑う心情を何ともリアルに表現されています。
絶妙な間合いや息遣いで、鮎川の感情が伝わってくる表現はまさに妙技です。

二度とこんなことはしないと約束してほしい――。
不破に誓約書を書かせ、友人として過ごす約束を取り付けた鮎川ですが、口述筆記をすることになったことをきっかけに、
自分の気持ちがわからなくなっていきます。
何でもない態度を取る不破に、もう自分のことを好きではないのか? と思ったり、そんな自分を勝手すぎると自己嫌悪したり。
さらに、不破と親しげな沖屋の登場にますます不安になる鮎川。
そんな鮎川を近藤さんが声のトーンを浮き沈みさせたり、強弱を自在に操って、戸惑いや嫉妬、落ち込み…と鮎川の心情を繊細に表現されています。
鮎川の揺れ動く様が、物語全編を通して近藤さんの細やかな表現によって痛いほど伝わってきます。

また、ぐるぐると自分の気持ちを考える鮎川が、様々な妄想を繰り広げるシーンがあるのですが、ここも必聴です! 
自分の想像に恥ずかしくなったり、こんな妄想をしてしまったことに落ち込んだり…
ころころと変わる鮎川の表情や複雑な心情を、一つの台詞の中にも色んな感情のニュアンスを重ねて、巧みに表現して下さっています。

そして、追い詰められた鮎川が取った行動――。
誓約書を書き友人として過ごす決心をしていた不破ですが、それが破られたことで、再度鮎川に想いをぶつけます。
不破が今までの溜め込んでいた想いを、三宅さんが低く静かに、囁きを交えつつ紡がれています。
切々と鮎川に対しての気持ちを語る不破の姿は、思わず頑張れ! と応援してしまうほど。
思わず聞いているこちらまでも胸がきゅんとしてしまうような、三宅さんの真に迫った演技に、
不破のこれまでの気持ちが溢れるほど伝わってくる素敵なシーンとなっています。

紆余曲折を経てようやく恋人となった二人。これからは幸せいっぱいな出来事が…と思ったら、 今度は別の問題が出てきて――。

どんどん不破にはまっていく自分に困惑したり、そして自分の知らない不破を知っている沖屋に嫉妬したりと、
ドロドロとした感情を抱く自分が嫌になる鮎川。
初めての感情をもてあましている様子が近藤さんの巧みな演技で絶妙に表現されています。
原作の繊細な感情表現と、近藤さんのリアリティーのある演技に、恋愛をする者なら「分かるなー…」と思わず共感してしまうことは間違いありません!

一方、態度のおかしい鮎川に、不安を募らせる不破…。
本作は鮎川の視点で語られる物語のため、不破の心情を語るモノローグはないのですが、
三宅さんが息遣いや間の取り方を微妙に変えつつ、不破の不安な気持ちや心情を細やかに表現して下さっています。
セリフの端々からも不破の感情が伝わってくる、三宅さんの演技にご注目ください。

徐々にすれ違っていく鮎川と不破。いったい二人はどうなってしまうのか…。
純情な二人が繰り広げる恋愛模様の行く末をぜひ見届けてくださいね!

そして沖屋を演じられる鳥海さん。鮎川と不破の間のスパイスとして存在感たっぷりに演じて下さいました。
鳥海さんが皮肉的な口調の中に、大人の色気も滲ませて、沖屋の魅力を一層引き出してくださっています。
わざと不破との仲を疑わせるような言動をとり鮎川をやきもきさせる意地悪な(笑)シーンや、
不破との距離を縮められない鮎川の背中を押すシーンなど、二人の関係を大きく動かす重要なキャラクター・沖屋の登場シーンは
どこも素敵な仕上がりになっています。沖屋ファンの皆様、必聴です!

そして肌を重ねるシーンでは、大学時代の不破が暴走して鮎川に触れるシーンや、恋人として初めての場面、
最後まで結ばれた場面など…盛りだくさんになっています。
特にようやく想いが通じあった後のシーンは、とても甘いシーンとなっています。
快感にめちゃくちゃになってしまう鮎川を近藤さんが声を震わせ恥ずかしそうに、そしてそんな可愛い鮎川にメロメロになっている不破を、
三宅さんがセリフに嬉しさや愛しい気持ちをいっぱいに込めて演じて下さっています。
幸せいっぱいの二人の様子に思わず胸がきゅんとします! 甘々ラブラブなシーンとなっておりますので、ぜひお楽しみに。

以上、キャストの皆さんの熱演により収録は順調に進み、無事本編が終了となりました。

本編終了後、特典フリートークでは、近藤さん&三宅さん&鳥海さんが楽しいお話を繰り広げて下さっています。
鳥海さんの進行により、共演のご感想やキャラクターと似ている部分、得意な家事などここでしか聞くことが出来ないお話が詰まっています。
こちらも盛りだくさんの内容になっていますので、皆さんお楽しみに!

高遠先生の書かれた魅力的なキャラクターを音で表現できるように、拘りに拘った収録は、無事終了となりました。
長時間の収録でお疲れにも関わらず、「お疲れ様でした!」とスタジオを後にされたキャストの皆さん方。本当にお疲れ様でした!
2011年1月28日発売、「犬と小説家と妄想癖」。皆さんぜひお楽しみください!!

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