Atis collection

[Atis collection] >> [Recording Report] >> [タナトスの双子1912]

Interview
ヴィクトール・イワノヴィチ・カヴェーリン 役 : 森川智之さん
ユーリ・ドミトリエヴィチ・オルロフ 役 : 野島健児さん
ミハイル・アラモヴィチ・フロムシン 役 : 近藤 隆さん
アンドレイ・ニコライエヴィチ・グロトフ 役 : 羽多野 渉さん
マクシム・ヴァジリエヴィチ・ラジオノフ 役 : 小西克幸さん
ミハイル・アラモヴィチ・フロムシン 役 : 近藤 隆さん

Question01 収録を終えてのご感想をお願いします。
森川さん 「僕の演じるヴィクトールは主人公となるユーリの副官でして、謎の多い人物ですね。
何があろうと常にユーリの隣にいて、ただそれが本当に副官としての仕事を全うしているだけかというと、
ちょっと違う感じの雰囲気も醸し出しているキャラクターです。
作品的にはロシア帝国の時代に、双子の兄弟が幼い頃に離れ離れになって、再びロシアの動乱の中でまた出会ってしまうという
切ないストーリーなんですが、そんな中でヴィクトールがこの後どんな風に彼らにかかわっていくのかなと、すごく楽しみにしています」
野島さん 「ユーリとミハイルという元々はすごく仲のいい双子が、激動の時代の中で社会の流れに巻き込まれて、幸せだった家庭が
バラバラになってしまうという悲しい物語なんですけれども、ユーリはずっとその離れ離れになってしまった双子の兄弟のことを思い、
それを逆に自分の力として、強さとして持ち続けているんです。家族と引き裂かれてしまったという悲しみが、
もっと良い政治をという想いを彼に持たせて、でも逆に野心もあったり。場面場面で本当はこんなことを思ってるんだ…という
シーンがたくさんあって、強い部分と弱い部分が表裏一体になった、とても繊細なキャラクターでしたね」
近藤さん 「ミハイルというキャラクターは1912のお話の中で、最も時代といいますか、運命に翻弄されたキャラクターだと思います。
もとは公爵という位の高い父を持っていながらも、妾の子ということで貧しい暮らしをしていて、貴族として迎え入れられるはずが、
事故によって記憶も失い、とある町のとある酒場の店主に育てられ、そして革命を起こそうと活動家になるんですよ。
そうしたら、倒そうと思っていた相手が実は自分の双子の兄弟で…と、かなり運命に翻弄されているんですが、
その翻弄され具合がすごくて筆舌につくしがたいですね。でも演じている上では非常に楽しかったです。
陰と陽というか、抑揚とか、すごくコントラストがはっきりしているキャラクターだったので、とても演じていて楽しいキャラクターでした」
羽多野さん 「アンドレイ・ニコライエヴィチ・グロトフ役の羽多野渉です(笑)」
近藤さん 「今、無理やり名前言っただろ(笑)」
羽多野さん 「(笑)。このアンドレイ・ニコライエヴィチ・グロトフという役は、下町育ちで、ユーリやマクシム達が貴族の世界で華々しく生きている
人間だとすると、ミハイルとアンドレイは、下町で強くたくましく生きているというイメージです。なので、気さくさや軽さの中にも、
たくましさみたいな部分を声で表現できればいいなと思って役作りをしました。
ミハイルの台詞の中にもあるんですけど、アンドレイは『聖人だ』と。聖人というのは例えですが、そんな風にたくましくて、
誰からも好かれる性格をしているけれど、大事なものを守っているところが非常に憧れであり、かっこいいなと思いました。
ミハイルが言葉巧みに『俺と寝ろよ!』みたいに誘うんですが」
近藤さん 「言葉巧みじゃない(笑)。直球だよ(笑)」
羽多野さん 「(笑)。そんな風に冗談まがいに言うんですが、いや駄目だ、そんな軽々しく寝られないと。そういう、本当に大事なものをしっかり守る
という性格がいいなと思いました。そんな部分を音でもしっかり表現できていれば嬉しいですね。ストーリーは少し難解ではあるんですが、
後編の1917も通して聞いて頂いて、どんなドラマになっているのか、皆さんの耳で確かめて頂きたいですね。
登場人物のそれぞれの心情の描写が丁寧に描かれているので、僕は台本を何回か読み直してようやく追いついたという
感じなんですけれども、キャラクターそれぞれの立ち位置が全く違いますから、色んな立場から聞いて頂いて、
この時ここではこんなことが起きていたんだ、という楽しみ方をして頂ければなと思います」
小西さん 「僕の役は非常に人望が厚くて、本当は色々なことを考えているんでしょうけど、それを表に出さない、とても屈託のないイメージの役で。
いいお兄さん的なキャラクターなんですが、それでいて、すごく力強さや心の強さも持っているような人なのかなと思いまして、
演じる上では非常にやりがいがあったんですが、それを表現できているかどうか…自分ではわからないんですが(笑)」
スタッフ 「とっても素敵でした」
小西さん 「でも難しかったですね。そういう部分を出すというのが。表現して出せるものではないかなと思いますし、周りとのバランスもありますしね。
そういう部分を出す上で、演じ手が持っているパーソナルな部分というのが必要になってくるのかなと思ったんですが、
僕自身はあんまり他人と接点を持たないので、そういうところがあんまりないんですよね。なので難しかったです。
でもだからこそやりがいがありました」

Question02 作品中、印象に残ったシーン・聞いて欲しいシーンなど、このCDの聞き所をお願いします。
森川さん 「印象に残ったシーンは、ヴィクトールがただ単に有能な副官ではないんだという、裏の顔を見せるような部分が
端々に出てくるんですが、その辺の怖さを聞いて頂ければなと思います。
全体を通しての聞き所は、ミハイルとユーリが離れ離れになって、全く違う立場で再会するところの苦しさとか、
その中で恋愛感情等の色々な想いが交錯してて、思い通りにいかない切なさみたいなものが作品全体の聞き所かなと思います」
野島さん 「ほとんど森川さんに言われてしまいました(笑)。個人的にすごく気になっている台詞があるんですが、
作品中によく瞳の色の表現があって、すごくきれいな青だ、みたいな台詞が方々に出てくるんですが、
ふっとその目に惹かれてしまうような瞳ってどれだけ美しいんだろう?って気になって気になって」
森川さん 「うん。CDじゃ目の色はなかなか表現できないよね(笑)」
野島さん 「(笑)。自分のことなんですけど、すごく気になるなーって(笑)。
青い炎とか、色の表現が好きなので、自分の中でそのシーンが登場するとドキドキしますね。
ぜひどんな青色なのかなと想像しながら聞いて欲しいなと思います」
近藤さん 「ミハイルの視点としては、やっぱり生き別れの自分と全く同じ顔をした双子の兄弟に敵として出会うというシーンは衝撃的ですね。
あれはやっぱり彼の中でもトラウマになりそうですよね。自分と同じ…同じであるものと違うもの、というのがテーマの一つでも
あると思うので、同じ顔を持つ違う人生を生きている二人の男の、性格とか生き様とか、色んな部分ですごく対比が出るのでは
と思います」
羽多野さん 「個人的にはディスク2の方で、自分のことを責めている近藤さんに」
近藤さん 「俺?ミハイルじゃなくて俺?(笑)」
羽多野さん 「優しい言葉をかける羽多野渉が(笑)」
近藤さん 「羽多野渉が(笑)。おいそれちょっと違うだろ(笑)」
羽多野さん 「近藤さんが自分のことをずっと責め続けてるんですよ(笑)」
近藤さん 「だから俺じゃない(笑)」
羽多野さん 「ミハイルにね。アンドレイが優しく『お前は駄目じゃないよ』というシーンが、自分自身も優しい気持ちになれましたね。
といっても革命家ですから、これから生きるか死ぬか分からない世界に行こうとしている、だけども心配をかけまいと
明るくふるまっているというところが、非常に印象深いシーンです」

Question03 共演されたご感想をお願い致します。
森川さん 「今日は(野島さんと)二人だけだったので、みっちりと休む間もなく集中して収録できました。(野島さんとは)しょっちゅう顔をあわせているので、やりにくいことは何もなくスムーズにいけました。多分いい仕上がりになっていると思います」
野島さん 「今日は森川さんと一緒ということで、役柄では、ヴィクトールを突き放して突き放して…という風にやってるんですけれども、
実際の僕個人としては、森川さんが相手なので安心して身をゆだねて」
森川さん 「(笑)」
野島さん 「そんな安心感の中でやらせて頂きました」
近藤さん 「さすがの共演者の皆さんなので、どういう風にやってくるのか、お互いの手の内といいますか、騙しあい化かしあいというか、
それぞれがどんなことをやってくれるんだろうと共演者として楽しみではありましたね。
後は史実に基づく部分の多い作品なので、皆さんがどの辺で、どういう風にそれを背負ってやっていこうとしているのかですね。
一つの役者としての考え方とかに繋がってくるのかなと。
そういう部分で、聞いて下さる皆さんに聞き応えが出るところではないかなと思います」
羽多野さん 「キャストの皆さんの一覧を見て、豪華なメンバーだなあって。あ、もちろん羽多野渉は除いて頂いて!(笑)」
近藤さん 「羽多野きゅんも豪華だよ(笑)」
羽多野さん 「いやいや。フリートークの中で近藤さんが仰ったんですけど、本当にあまり他の作品では見ないような壮大なイメージがあって、
まさに大河ドラマですよね」
近藤さん 「そうだね。日本で言えば幕末だからね」
羽多野さん 「そうなんです。それで、何がやっぱり切ないかというと、登場人物達がそれぞれ歴史に飲み込まれて、翻弄されていくんですね。
そんな中で、それぞれのキャラクター達の生き様を楽しんで頂きたいドラマだと思うんですけれども、そういうドラマを演じさせて
頂くというのは、僕個人としては楽しみであり、他の方達とのお芝居もすごくいい経験になるなと思いました」
小西さん 「お話がすごくしっかりしているので、非常にやっていて楽しかったです。僕はレジスタンスや貴族の間を行ったり来たりしてるんです
けれども、折角こういう話なんだったら、もう少しレジスタンス側に入っている時の生活風景とか、逃亡生活の細かいところとか、
そういう部分をもう少し見たかったですね」

Question04 ファンの方への一言をお願いします。
森川さん 「前後編共に2枚組という大作ですので、ぜひ前編を聞いて頂いて、兄弟のこれからを僕達と一緒に見届けて行ってもらえると
嬉しいかなと思います」
野島さん 「何しろ前編2枚組、後編2枚組、計4枚ということで、聞くにも聞き応えがかなりあるんですが、内容もとても緻密に
作り上げていますので、ぜひ4枚分、座して聞いて下さい!」
近藤さん 「羽多野君が先程から僕の言葉を拾ってくれましたが、非常に重厚な、それこそ大河ドラマのような作品です。
例えば日本の幕末のような、この後起こるロシア革命によって、ロシアが帝政ロシアからソビエト連邦に形を変えていき、
社会主義が誕生するわけなんですが、それは次の1917の方でね。そういう激動の時代を生き抜いている人間達のドラマというのは
非常に聞き応えがあると思います。
少し難しいと思うかもしれませんが、でも物語として聞いて頂いて、学生さんは歴史の勉強の時に、『あ、ロシア革命、これだ!』
ときっとピンと来ると思います。その時にこのお話の全てががっちり繋がりますから!そういう学び方もありかなと。
本当に色んな角度から聞けると思います。とにかく、皆さんがすごいです!楽しみに待ってて下さい!」
羽多野さん 「今回、非常に重厚な作品に参加できて嬉しく思っています。次回、このドラマがどういう風に展開していくのかを
楽しみにして頂きたいです。僕も学生時代に歴史が大好きで、なぜ好きだったかというと、先生が『歴史はロマンだ』という言葉を
言っていたんですね。年号でこの年に何があったという覚え方もいいんですけれども、そうではなく、何か物事があった時に
その当時の人達が何をしていたのかを想像するとワクワクするんですよ。
今回この作品の中でも、国が大きく動くようなことがあって、その時にもしこういう人達がいたら…
という楽しみ方ができると思います。ロマンや想いを馳せつつ、歴史大河ドラマを楽しんで頂ければ幸いです」
小西さん 「設定は革命があったりする時代の話なので結構難しいとは思いますが、物語自体はそんなに難しくなく、キャラクター達の
感情のやりとりや会話で成り立っている話なので、すんなり聞けると思います。
革命という大きな時代の流れに巻き込まれていく中で、今後、一生懸命生きている彼らがどうなっていくのか、
後編もあわせて想像しながら聞いて頂けると嬉しいなと思います」

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