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Recording Report

嘘つきは恋をする 収録レポート


6月中旬、都内スタジオにて「嘘つきは恋をする」の収録が行なわれました。

収録当日、続々とスタジオ入りされるキャストの皆さん。なごやかなムードで収録開始を待たれます。
全員が揃ったところで、キャストの皆さんに原作者の上田先生よりご挨拶がありました。
「キャストの皆さんにお任せしますので、宜しくお願いします」との先生の言葉に、キャストの皆さんも気合が入ります。

ご挨拶を終えた後、テスト収録が開始され、数シーンを演じていきながら、キャラクターの設定が行なわれます。

遊び人の人気翻訳家・広樹を演じられる小西さん。
テストの段階から男のフェロモンむんむんといった雰囲気で演じて下さいました! 少し癖のある感じを匂わせながら、
まさに色悪といった役作りがイメージぴったりです。更に、シーンによっては落ち着いて低くしたり、逆にさわやかなトーンにしたり、
間を使ったり…とメリハリをつけて頂くことになりました。

真面目な料理人・康行を演じられる野島さん。
繊細で控えめな雰囲気で、第一声からイメージぴったりの演技に、先生とスタッフ一同もにっこり。
広樹に振り回されてとまどう様子が何とも可愛らしく、そのまま本番へ進んで頂くことに。

広樹の弟で、康行の後輩の料理人・明雄を演じられる寺島さん。
テスト前、先生に「明雄は絵だけだと結構かわいい感じなんですが、どうしましょうか?」と訪ねられる寺島さん。
先生の「イメージぴったりなので、お任せします!」という言葉に、低音ボイスで「じゃあこんな感じでいいですか(笑)?」と場を和ませて下さいました。
もちろん、テストではさわやかな明雄を的確に表現して下さり、一発OK。更に、本番では少年ぽさをもう少しだけ出して頂くことになりました。

その他の各キャラクターの的確なイメージや要望などもキャストの皆さんに伝えられ、キャラクター設定が終了しました。

いよいよ本番がスタート。冒頭からキャストの皆さんの息ぴったりの演技に、収録はスムーズに進んでいきます。

広樹を演じられる小西さんは、自分勝手な遊び人で、何もかもをゲームのように思い通りに進めようとする傲慢なところがありながらも、
どこか惹かれずにはいられない悪い男の魅力たっぷりに演じて下さいました。
康行をおとそうとして発する甘い台詞と、その後ろにモノローグで語られる意地悪な心の声のギャップは聞き所です!
幼い頃の両親の苦い思い出から、愛情を信じられなくなった広樹。そんな広樹が、軽い気持ちで康行と付き合いだしてからだんだん変化が訪れます。
康行の存在に癒され、彼にどんどん惹かれていく広樹。自分勝手に康行を振り回しながらも、心の奥では彼の反応をうかがったり、
遊びだと思っていたにも関わらず、彼の存在に逆に振り回されたり…。
口から出る言葉と、思っていることが違うアンバランスさや、素直になれないもどかしさ。
表の部分と裏の部分の心情の繊細な演じ分けが要求されるキャラクターを、アドリブを含めつつ細やかに表現して下さる小西さん。
器用だと思っていた男が、本気になった時に見せる不器用さや弱さが何とも素敵です!
物語が進むにつれて、様々な表情を見せる広樹を、声のみで表現された小西さんの演技に注目して頂きたいと思います。
悪態をついたり意地をはりながらも、本当は戸惑っていたり後悔していたり…というニュアンスを絶妙に表現して下さっています。
原作の魅力的な広樹というキャラクターが、小西さんの演技によってより魅力的に表現されています。

康行を演じられる野島さん。広樹の言動に振り回されつつも、彼を受け止める包容力や
「……」「っ」等、息をつかった表現と間の取り方が康行のイメージにぴったりでした。
困ったり戸惑ったりしながら、でも嬉しく感じていたり…。
こちらも一つの台詞の中に色んな感情のニュアンスを載せなければならないキャラクターですが、そこはさすがの野島さん、
幾重にも感情を重ねられた繊細な演技で巧みに演じて下さっています。
傍若無人にふるまう広樹の言うことを聞く康行。野島さんの、何気ない会話の端々から広樹への愛情や優しさを表現して下さる演技はさすがです! 
広樹の言動に一喜一憂しているようで、実は芯の強い康行。一見儚げで抑えめの演技の中にも、確かな広樹への愛情や思いやりが伝わってきます。


そして明雄を演じられる寺島さん。兄・広樹とは違い、まっすぐで純粋なキャラクターがとっても魅力的です。康行のことを心配しつつ、
どんどん自分も彼に惹かれていく様子が寺島さんの的確な演技で何ともリアルに感じられます。
広樹のいい加減な態度に憤慨したり、康行を気遣ったりと、微笑ましい様子を寺島さんがさわやかに演じて下さり、
そのピュアな言動に思わず胸がキュンとさせられることは間違いありません! 
思わず「明雄にしておけばいいのに…」とスタッフからつぶやきが漏れるほど、魅力的なキャラクターに仕上がっています。
広樹が康行を大事に扱わないことに怒りを覚えつつも、結局は二人を思いやって行動したり…
不器用な広樹と康行に振り回されながらも、どんどん成長していく様を寺島さんが色鮮やかに表現して下さっています。
物語のクライマックスでは、明雄の存在が広樹と康行の関係を大きく動かす一因にもなっていますので、お楽しみに!

また本作では、風邪のシーンや食事をするシーンが随所に登場します。風邪をひいてマスクをつけているシーンの表現や、
物を食べているシーンなど、キャストの皆さん方が巧みにアドリブで表現して下さっています。
咳を一つする、かれた声で喋るというだけでも色々な技があるんだなぁ…と感心しきりのスタッフ一同。
ぜひ細かいところまで耳をすまして聞いてみて下さいね。


さて、どんどん自分が康行に溺れていくことを認められず、素直にふるまえない広樹。さらに明雄の存在によって、
二人の間にはだんだんとすれ違いがでてきます。
全て自分の思いのままだったはずなのに、上手くいかない。そんな中、決定的に二人の間に亀裂の入る出来事が起こり――。
本当はお互い好き合っているにも拘らず、素直になれない広樹の行動のせいで、もどかしいほど気持ちのすれ違いをくりかえす二人。
物語後半、喪失感にさいなまれた広樹が素直になって康之に対し抱えていた想いをぶつけるシーンは本当に切ないです。
これまでの想いがあふれ出したような小西さんの演技に、思わず胸が痛くなります。そしてそんな広樹を受け入れる康行。
野島さんの紡がれる穏やかな声に、思わず聞いているこちらも広樹と一緒にあたたかい腕の中に抱きしめられるような優しさを感じました。
これまですれ違って傷つけ合っていた分、その後の幸せなラブラブシーンは必聴です!

そして二人が肌を合わせるシーンは、初めて、つきあいだしてラブラブの段階、嫉妬して苛立ちを抑えきれない状態でのシーン、
気持ちがすれ違ってお互いを傷つけてしまうシーンと盛りだくさんになっています。
そして最後の、本当に想いが通じた後の肌を重ねるシーンは、ラブラブで愛情の溢れた幸せなシーンになっていますので、お楽しみに。
細かいやりとりまで、お二人で相談をされながら、原作の雰囲気をそのままに、どのシーンも聞いているこちらがドキドキするほど素敵に演じて下さいました。
なごやかな雰囲気のまま、収録は順調に進み、無事に本編部分が終了となりました。

本編終了後、購入特典のフリートークでは、小西さん&野島さん・寺島さんが楽しいお話を繰り広げて下さっています。
収録中の様子や、キャラクターについてなど、ここでしか聞くことが出来ないお話が詰まっています。
別録りだった寺島さんに無茶振りをする小西さんと、そんな小西さんに笑わせられっぱなしの野島さん、
またそんな無茶振りを飄々とこなす寺島さんと、三者三様、わきあいあいとした楽しいトークになっています。
好きな人に作ってほしい料理というテーマでは、同じ人を好きになってしまう兄弟役にふさわしく、小西さんと寺島さんの好みは一緒…
という意見など、盛りだくさんの内容になっていますので、皆さんお楽しみに!

上田先生の描かれた魅力的なキャラクターを音で表現できるように、こだわりにこだわった収録は、無事終了となりました。
長時間の収録でお疲れにも拘らず、「お疲れ様でした!」とさわやかにスタジオを後にされたキャストの皆さん方。本当にお疲れ様でした!
7月28日発売、「嘘つきは恋をする」。皆さんぜひお楽しみ下さい!!

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