11月中旬、都内スタジオにて『15センチメートル未満の恋』の収録が行なわれました。
いち早くスタジオにいらっしゃった野島さん・三宅さんをはじめ、キャストの皆さんは穏やかな雰囲気で収録開始を待たれます。
途中、プロデューサーが加わり、キャラクターや演じ方、場面場面の表現方法についてじっくり話し合われていました。
それぞれ難しいキャラクターをどのように表現するか、皆さん本番に向けて真剣なご様子でした。
テストでは、数シーンを演じつつキャラクターの設定をしていきます。
ドラマCD版『15センチメートル未満の恋』は、原作同様『15センチメートル未満の恋』と『1/1スケールの恋』の2部構成。
小さい雪見と伏木野のかわいくコミカルなやりとりの続く前半部分、元のサイズに戻った雪見と伏木野のすれ違いを描いた後半部分と、
どちらも聴きごたえたっぷりの内容となっています。
本作の課題は、砂原先生の描かれたユーモア溢れる世界観と個性豊かなキャラクターをいかに表現するか。
音だけでキャラクターの表情や動き、空気感までを聞く側に伝えられるように、テストでは試行錯誤が繰り返されました。
声のトーンを変えたり、感情の起伏の幅を変化させるなどして、キャストの皆さんに数パターンを演じて頂きながら、基本ラインを調整していきます。
雪見有一を演じられる野島さん。
基本のクールビューティーを保ちつつ、身体が小さくなってしまい動揺を隠せない様子や、無愛想な伏木野に振り回されて
アタフタする様子を魅力的に演じて下さいました。
ツンとしていながらも、怒鳴ったり慌てたりと表情豊かな雪見がイメージどおりということで、そのまま本番へ。
伏木野円役の三宅さんには、何を考えているか分からないキャラクターのため、感情のアップダウンを出しすぎず、でも出さなすぎず、
という難しいリクエストが伝えられました。基本は朴訥としたラインで、場面場面で感情のメリハリを微妙に表現してほしいという要望に
神妙な面持ちで頷かれる三宅さん。ディスカッションを重ねながら、伏木野の声とキャラクター付けを決定していきました。
また本作では、雪見の身体が小さくなった状態と通常の違いをどのように表現するかも大きなポイント。
15センチ未満の小さい雪見が、身長180センチオーバーの伏木野と会話をする時は、距離感を意識して台詞は声を張り気味に。
その台詞の音量を調節して、サイズの小ささを表現することになりました。距離が近い場面では張り加減を抑え、メリハリをつけていきます。
物語は、雪見がなぜか12分の1スケールの15センチ未満に縮んでしまった場面から始まります。
状況に混乱しつつも伏木野に強く声をかける雪見と、無表情でそんな状況など意に介さない様子の伏木野。
二人のどこかチグハグなやりとりが楽しく、作品の世界にぐっと引き込まれてしまいました。
雪見役の野島さん。
無愛想な伏木野に比べ、怒鳴ったり、慌てたりとテンションの高い雪見を感情豊かに表現して下さいました。
台詞にあわせて手をパタパタさせたり、胸を張ったり膝を動かしたり、伏木野に冷たくあたりながらも、
どこか憎めないかわいらしさが滲み出た演技はさすがです!
小さくなった自分を親身になって世話してくれる伏木野の、不器用な優しさや想いに触れ、雪見の感情も大きく揺れ動きます。
一見わかりにくい伏木野の行動や発言に戸惑ったり振り回されたりしながらも、自分に向けられる真摯な感情に心が揺れ、
どんどん伏木野に惹かれていく様子を、野島さんが息遣いや間の取り方を微妙に変えつつ、細やかに表現して下さっています。
野島さんの演じられる雪見の感情の動きにご注目下さい。
そして三宅さん演じる伏木野。
大柄で無愛想、何を考えているか分からない…そんな伏木野を、三宅さんはまさにキャラクターのイメージそのものの雰囲気で演じて下さいました。
小さい身体になってしまった雪見を世話しながら交わす会話の端々から、雪見への愛情や優しさを表現してくださる演技はお見事!
抑えた演技の中にも、確かな雪見への愛情が伝わってきます。
言葉のうまくない伏木野の台詞には、冒頭やそこかしこに「……」という間合いがかなり入っています。
細い身体を大きく動かしながら演じられる野島さんとは対照的に、大きな身体を縮こまらせてボソッと台詞を紡ぐ三宅さんの姿は、
イメージぴったりの演技と相まって、どこか伏木野のキャラクターと重なって見えました。
作中には、小さい雪見と伏木野のほほえましいやりとりやコミカルな展開に、思わず笑みがこぼれる場面が多数登場。
伏木野役の三宅さんもお気に入りなのが、二人で建築模型の完成祝いを行うシーンです。ゼリービーンズやマシュマロを投げあう雪見と
伏木野のやりとりが何ともかわいくて、聞いているこちらまで幸せな気分になれます。
伏木野が初めて見せる笑顔や、二人の距離が急速に縮まっていることが感じられ、思わず笑顔になることは間違いありません。
また、随所にちりばめられたアドリブがさらに場面を盛り上げています。
小さい雪見がホールケーキの中に落ちてしまうシーンでの野島さんの生クリームに溺れるアドリブや、
猫に追いかけられて逃げ回る様子のアドリブなど、台詞以外の部分もすみずみまでチェックして下さいね。
その他、作中繰り広げられる二人の心温まるやりとりにぜひ癒されて下さい!
雪見と伏木野、まさにキャラクターそのものといった野島さんと三宅さん。
全編を通して二人の掛け合いが多く、終始喋りっぱなしだったのですが、そのシンクロ具合は本当にすばらしいです!
どのシーンからも二人の感情が痛いほど伝わってきます。
とりわけ雪見役の野島さんが、物語のクライマックスで、キャラクターに感情移入されるあまり涙ぐみながら演じられていたことが印象的でした。
さて、二人が肌を重ねる場面では、この作品ならではのマニアック(?)な表現も登場します!
小さい雪見を伏木野が指先で愛撫するシーンや、小さい雪見が伏木野の×××で…。そして紆余曲折の後、
通常のサイズに戻っての切なさ&愛情いっぱいのラブラブなシーンと、原作を既読の方はご存知の通り、
全ての色っぽい場面がCDにも収録されています。普段は朴訥な伏木野の熱っぽい姿がとてもかっこよく、雪見もかわいさ全開です!
どのシーンも素敵に仕上がっていますので、お楽しみに!
以上、野島さんと三宅さんの熱演により収録は順調に進み、無事本編が終了となりました。
続くフリートークでは、野島さん・三宅さんのお二人で、楽しいお話を繰り広げて下さっています。
全力投球だった本編の収録を終えて、お疲れ気味でありながらも満足げなお二人。
驚くほど物語に入り込んで演じて下さったと仰るお二人の、収録中のお話や共演のご感想、夢にまつわるエピソードなど、
ここでしか聞くことが出来ないお話が詰まっています。
内容は、聞いてくださった皆さんのお楽しみなのですが、野島さんと三宅さんの作品に対しての想いなど、
お二人が真摯に語って下さっていますので、ぜひぜひこちらもお手に取って頂ければと思います。
作品の世界観にどっぷり浸かった熱気溢れる収録は、無事終了となりました。
コミカルなだけでなく、どこかあたたかく切ない『15センチメートル未満の恋』。
12月28日発売です。皆さん楽しみにお待ちくださいね!!
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