4月上旬、都内スタジオにて「ミスター・ロマンチストの恋」の収録が行なわれました。
収録当日、スタッフがスタジオ入りすると、控え室には溢れんばかりの人、人、人。
今回は学園物の作品ということで、メインのお三方をはじめ、たくさんのキャストの方々がご出演下さるのですが、
皆さん元気いっぱいのご様子。スタジオ内は収録前から、わきあいあいとした雰囲気に包まれていました。
全員が揃ったところで、キャストの皆さんの紹介が行なわれ、原作者の砂原先生のご挨拶の後、「よろしくお願いします!」
という元気な声で、いよいよ収録がスタートします。
まず初めに行われるテストでは、千野、有坂、藤木をはじめ、女子高生や部活の後輩など、細かく各キャラクターの声を決定していきます。
キャストの皆さんに数シーンを演じて頂いた後、スタッフ全員で話し合いを行います。
千野純直役の杉山さん。外見は女子生徒にクールで渋いと言われる男前ですが、内面はまさに乙女男子!
といった感じの可愛らしいキャラクターの千野。表面上はあまり感情が見えないタイプということで、
基本は低いトーンでできるだけ感情を抑えて演じて頂くことになりました。
抑えたトーンで進めていく演技プランに、杉山さんから台詞とモノローグの感情の出し方の程度についての質問がありました。
台詞などの周囲に見える部分での演技は抑え目で、逆にモノローグなどの内面の動きは大きく出した方がいいかという質問に、
P |
「千野はそのギャップが魅力のキャラクターなんだよね。
でも、台詞とモノローグでキャラクターが全く変わってしまうと違和感があるから、モノローグも基本はやっぱり抑え目だけど、
でも台詞よりは動きがあればいいなと思います。その辺の繊細な表現はもうバッチリだからね(笑)」 |
杉山さん |
「…がんばります(笑)」 |
とプロデューサーの言葉に神妙な面持ちで頷かれる杉山さんでした。
有坂和志役を演じられる羽多野さん。クールで近寄りがたい雰囲気のあるキャラクターということで、
テストの段階からぶっきらぼうな男っぽい有坂を聞かせて下さいました。
こちらもイメージどおりということで、そのまま進んで頂くことになりました。
藤木朋巳役の寺島さん。かわいらしい外見に反して性格は男っぽくサバサバした朋巳を生き生きと演じて下さいました。
寺島さん演じられる千野を引っ張る元気いっぱいの朋巳に、
砂原先生からも一発OKを頂き、そのまま進んで頂くことになりました。
その他の各キャラクターの的確なイメージや要望などもキャストの皆さんに伝えられ、キャラクター設定が終了しました。
物語は、千野が幼なじみの朋巳と有坂に対する恋心を語っているシーンから始まります。
有坂を好きになったきっかけを熱く語る千野に、ずけずけつっこむ朋巳。
男っぽい杉山さんの低音ボイスから飛び出す台詞は乙女チックでかわいらしく、それに対し、
ハイトーンの寺島さんのするどいつっこみのやりとりはどこかコミカルで、思わず笑顔がこぼれます。
杉山さんは、低いラインの声でぼそぼそと喋りながらも、言っている内容は可愛かったり、
もじもじしたり、心の中ではしゃいだりととても難しいキャラクターの千野を魅力的に表現して下さいました。
有坂に会えて心の中では喜びつつも、でも表情と声にはそこまで感情を出さない…でもやっぱり喜んでいるのが伝わる、
というような繊細かつ難しい表現が要求されましたが、そこはさすがの一言。
杉山さんの抑えた演技の中にも千野の気持ちがビンビン伝わってきます!
有坂の言動に一喜一憂しながら、その不器用さ故にうまく想いを伝えられなかったり、スマートにふるまえないもどかしさ。
そのあまりの一生懸命さとかわいらしさに、思わず胸がきゅんとさせられることは間違いありません!
杉山さんの演じられる可愛らしい千野の様々な表情にご注目下さい。
有坂を演じられる羽多野さん。クールな口調や醸し出す雰囲気が有坂のイメージにぴったりでした。
生徒会長で女子生徒の憧れでもある千野に最初は苦手意識をもっていた有坂ですが、
千野の不器用さや一生懸命さに触れて、段々心を許していきます。
羽多野さん |
「あのー、有坂は千野に対して敬語だったりタメ口だったりするんですけれども、タメ口のところは本当にくだけた感じでいいんでしょうか?
千野はやっぱり先輩なので、タメ口だけどやっぱり少し硬い感じの方がいいですか?」 |
P |
「タメ口のところは有坂がふっと千野に心を開く瞬間というかね、有坂から千野に対する距離がぐっと近づくシーンだから、
そんなに硬くなくてもいいかな。敬語とタメ口の繰り返しで、どんどん距離が縮まっていくんだよね」 |
羽多野さん |
「分かりました。やってみます」 |
ぶっきらぼうですが一本芯の通った信念を持つ有坂。ひたむきに想いをよせる千野に、どんどん惹かれていきます。
クールな中にも羽多野さんが声のトーンや話し方を微妙に変えつつ、そんな気持ちの揺れを繊細に表現されています。
そして女の子のようなかわいい外見に、竹を割ったような男前な内面を持つ朋巳役の寺島さん。
初めて脚本を読まれた時から寺島さんは千野を「なんて可愛いくていい子なんだ~! 幸せになってほしい!」と思って下さっていたとのことで、
千野を応援してくれる朋巳にまさにぴったりでした。
乙女チックでロマンチストな千野の背中を押したり、体をはって有坂を煽ったりとなんだかんだいいつつも二人をくっつけようとする朋巳。
ハキハキした朋巳が登場すると物語がスピード感を増します。のんびりした千野に朋巳がまくしたてるシーンも多いのですが、
勢いよく台詞をまくしたてる寺島さんはまさに朋巳そのものです!
メインのお三方を始め、キャストの皆さんのイメージぴったりの演技に、スムーズに収録は進んでいきます。
そして少しずつ仲良くなっていった千野と有坂の関係が大きく動く、ある出来事――。
千野が思わずやってしまったことをきっかけに、二人の関係は大きく深まっていきます。
そして、めでたく恋人同士になった千野と有坂。付き合いだした二人のかわいらしいやりとりは幸せに溢れていて必聴です!
夢のような幸せがずっと続くかと思われましたが、千野のネガティブさや受験により二人の関係に暗雲が立ち込めます。
一時は幸せ絶頂の千野を浮き立つように演じて下さった杉山さん。コンプレックスである自分の外見や内面とのギャップのあまり、
自分に自信が持てず別れを意識せずにはいられない千野の想いを、切なさいっぱいに表現して下さっています。
有坂がこんな自分をずっと好きでいてくれるわけがない。どんどん自信をなくしていく千野。震える声で紡がれる杉山さんの演技に、
思わず胸が痛くなるほどきゅんとさせられます。
そしてそんな千野に苛立つ有坂。好きだと伝えているにも関わらず、別れを意識する千野に怒りを抑えきれない様子を、
羽多野さんが感情を爆発させて演じて下さいました!
羽多野さんの紡がれる台詞から有坂の想いが溢れ出していて、好きなのに信じてもらえない辛さがひしひしと伝わってきます。
お互い好き同士にも関わらず、すれ違う二人。そんな二人を繋いだのはやはり…?
そして二人が肌を合わせるシーンでは、場面ごとにしっかりと演じ分けをして下さっています。
想いが通じ合って初めてのシーンでは、ラブラブかつ聞いているこちらまで恥ずかしくなるような初々しさで、
すれ違いの後に想いを確かめ合うシーンでは切ないほどお互いの気持ちをぶつけあう、素敵なシーンになっています。
どちらも恋人に対する確かな愛情と思いやり、そして思わず微笑んでしまうような幸福感に溢れています。
乙女チックでロマンチストな千野と、一見クールで実はやきもちやきの有坂の関係は?
二人のロマンチックな恋物語を、ぜひドラマCDを聴いてお確かめ下さいね!
終始わきあいあいとした雰囲気のまま収録は順調に進み、無事に本編が終了となりました。
そして、購入特典の「杉山さん・羽多野さん・寺島さんによるフリートーク」では、今回のお話に関してや、
学生時代の思い出についてなどを語って下さいました。
とにかくわきあいあい、ほのぼのとした雰囲気のここでしか聴くことが出来ないお話が詰まっています。
内容は、聞いて下さった皆さんのお楽しみなのですが、お三方の楽しいトークがたくさん詰まっていますので、ぜひぜひこちらもお楽しみ頂きたいと思います。
砂原先生の書かれた魅力的なキャラクターを音で表現できるように、拘りに拘った収録はチームワークもよく楽しい雰囲気のまま無事終了となりました。
長時間の収録でお疲れにも関わらず、「お疲れ様でした~」とにこやかにスタジオを後にされたキャストの皆さん方。本当にお疲れ様でした!
5月28日発売、「ミスター・ロマンチストの恋」。皆さんぜひお楽しみください!!
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