4月上旬、「チョコレートのように」の収録が行なわれました。
収録当日、続々とスタジオ入りされるキャストの皆さん。
笑顔で挨拶を交わしながら収録開始を待ちます。
全キャストが集合したところで、キャストの皆さんの紹介や、収録スケジュールなどが伝えられます。
梶本役の安元さんは、阿部プロデューサーと以前お仕事をされた際、「生徒2」などの役を演じたということをお話されていました。
「名前のある役でもう一度一緒にお仕事が出来て嬉しいです」と、笑顔でお話をされていました。

まずはじめに行われるテスト収録。
数シーンを演じていただきながら、キャラクターや作品の雰囲気などを確認していきます。
じっと皆さんの声に耳を澄ましながら、全体のバランスにも気を配ります。
テスト終了後には、スタッフ全員で各キャラクターについて話し合いが行なわれます。
静を演じる武内さんは、キャラクターのイメージ通りということで、テストのまま進んでいただくことになりました。
梶本を演じていただく安元さんは、ゆったりと余裕のある感じをテスト時よりもしっかりと出していただくことになりました。
その他、全キャストの皆さんにキャラクターの的確なイメージや要望が伝えられ、キャラクター設定が終了しました。

ここから、いよいよ本番がスタートします。 静と梶本が橋の上で出会うシーン。
しっとりと落ち着いた2人のやり取りに、スタジオの空気がガラリと変わります。

武内さんは、神経質でツンとした静を熱演していただきました。
普段の落ち着いた声、気持ちが高ぶった時の激しい激昂など、感情の動きを丁寧に演じられる武内さん。
お話が進んでいくにつれ、心情の変化が声のトーンなどから感じることができます。
また、モノローグでは、語尾の空気が抜けていくような言い回しがとても心地よく耳に届いてきます。
武内さんの台詞にのせて、静の心情が心に響きます。

安元さんは、傲慢で全てを自分の思うがままに進めようとする梶本を、大人の魅力たっぷりに演じてくださいました。
重厚な声と、余裕のある落ち着いた身のこなしをみせる梶本。
その反面、甘いものが好きだったり、名作アニメに涙したりと、ふっと可愛らしく見えてしまう一面も。
安元さんの艶めいた甘い囁き声は必聴です。

お2人の息はぴったりで、順調に収録は進んでいきます。
美容室のシーンでは、くるくるとたくさんの人達に振り回される静が慌てふためく様子が描かれます。
このシーンでは、スタジオの中にある3本のマイク前に、たくさんのキャストの皆さんが入れ替わり立ち代り移動を繰り返しながら、収録が行なわれます。

大勢での収録が終了した後は休憩を挟み、武内さんと安元さんお2人のシーンを収録していきます。
梶本と静が口論をするシーンでは、武内さんが大きな声を張り上げ、びりびりと体に響くほどの迫真の演技に圧倒されました。
声を荒げ、声を震わせながらの激昂に、ぜひ注目してください。
また、怒りのスイッチの入った梶本は、より低音の声にぐっと深みが増しています！
その重厚な声に思わず圧倒されます。

脚本の中の梶本の台詞の中に、「（耳元で）」というト書きの書き込まれた台詞が数箇所あったのですが、
この箇所で安元さんは顔をマイクに近寄せて、台詞をそっと囁くように紡がれています。
聴きながら思わずドキッとしてしまうほどの甘く艶めいた「囁き」でした。

後半部分では、はじめに永瀬役の鈴木さんのキャラクター設定が行なわれます。
「鈴木さん、お待たせしました」というスタッフからの声に「いいえ」とにっこり微笑まれる鈴木さん。
これまでと同様に、テストで数シーンを演じていただき、話し合いが行なわれます。
「よく出来る人」だけど、「嫌な人」のアクセントが出ていて、めいいっぱい悪人。
でも、そんなところを自分自身は全く気がつかない。
基本「嫌な人」な永瀬の雰囲気をしっかりと表現してくださった鈴木さんの演技に、
スタッフ全員が「永瀬のイメージにぴったりです！」ということで、テストのままで進んでいただくことになりました。
永瀬の登場シーンは多くは無いものの、強烈なインパクトを放っています。

梶本と静の距離感にも大きな変化が現れる後半部分。
少しずつ変化していく2人の様子が丁寧に描かれます。
2人で名作アニメに涙するシーンは、全体を通してシリアスに進んでいくお話の中でふっと温かさや優しさが溢れているシーンです。

そして、作品の所々に出てくる「マーブルチョコレート」ですが、
原作通り梶本役の安元さんが、それぞれのシーンでバリバリと頬張る様子を演じていただいています。
傲慢で自信に満ち溢れている普段の梶本からは全く想像がつかない一面をお楽しみいただけると思います。
チョコレートを頬張る梶本は、なんだか可愛らしく思えます。

静と梶本が肌を重ねるシーンは、キャラクターの感情の揺れや、お2人の空気感が大事になる重要な場面ということで、
収録前にプロデューサーがスタジオに入り、安元さんと武内さんと細かな打ち合わせが行なわれました。
収録が始まると、2人の感情をしっかりと表現されるお2人に圧倒されました。
収録後、梶本の甘い言葉攻めの数々に、静役の武内さんが笑いながら「ドSめっ」と安元さんに向かって呟くと、「ふふっ」と微笑む安元さんでした。

和やかに進んだ収録は安元さんの力強く、そして甘い響きのこもったラストカットで無事終了となりました。
「お疲れ様でしたー」という声に、ほっとした表情の皆さんが「お疲れ様です」とガラス越しに笑顔を向けてくださいました。

本編収録後に収録となったエンディングトークでは、武内さんと安元さんが司会となって、鈴木さんを交えての楽しいお話を聞かせていただきました。
作品についてや感想、収録の裏話など、作品のテーマとなっている「復讐」についてなど、皆さんのいろいろなお話が聞けます。
そして、収録後ということもあって、皆さんハイテンションです（笑）
こちらもぜひぜひお楽しみいただきたいと思います。

それでは、5月28日発売、「チョコレートのように」。
皆さんぜひお楽しみください！

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