Atis collection / Recording Report

■ 声の出演
　小林市太 : 鈴村健一さん
　長沢弘 : 三木眞一郎さん
　仁 : 大川透さん
　富士雄 : たてかべ和也さん

3月初旬、『嘘つきはだれだ』の収録に行ってまいりました。
ドラマCD版・嘘つきはだれだのストーリーは・・・

誰かをきちんと愛する気持ちがわからず、職場の先輩相手に刹那的な関係を続ける市太。
市太は学生時代に、自分がゲイであることで、幼馴染の弘に嫌われたことをずっと気に病んでいた。
そして、弘にこれ以上嫌われたくないという思いから、職場の先輩と付き合うという嘘をついてしまう。
しかし、弘もまた市太を思うが故に、彼に対して距離をとっていたのだった。

お互いに思いながらもなかなか素直になれず、ついつい『嘘つき』になってしまう2人を市太の視点から丁寧に描いていきます。
まずは、収録ブースにて、原作のユキムラ先生や出版社の皆さんとご挨拶。緊張しながら収録スタートを待ちます。
続々とスタジオ入りするキャストの皆さん達は、にこやかに談笑。ゆったりとした空気が流れます。
所々聞こえてくるお話の内容は、『ダイエット』や『健康』についてなどでした。
体が資本のお仕事ということで、体調管理に関してはお話が尽きないようでした。

全員が集合したところで、ユキムラ先生とキャストの皆さんがご挨拶。
そして、プロデューサーから、収録スケジュールについての説明と、作品に対してのイメージや、雰囲気などについてお話がありました。
キャストの皆さんからの『よろしくお願いしまーすっ』という元気な声で、テスト収録がスタート。
スタッフルームに響くキャストの皆さんの声にじっと耳を傾けます。

数シーンを演じていただき、キャラクターの雰囲気と全体の声のバランスを調整する大事なテスト収録。
一通りを聞き終わった後、スタッフ全員で話し合いを行い、キャラクターの声を決定していきます。
プロデューサーが、それぞれの声や雰囲気についてユキムラ先生に尋ねると、
鈴村さんは『素敵です』
三木さんは『カッコイイです』
大川さんは『何もいうことはありません』
たてかべさんは『エンジェルです』（笑）
ということで、全ての役者さんのお声をテスト収録のキャラクターのままで進んでいただくことになりました。

スタッフ内での話し合いが終わると、プロデューサーが『良かったよ』と、1人1人に声をかけられます。
にこにこと笑顔を見せながら、会話をしていくうちに、テスト収録を終えたばかりの張り詰めたスタジオの雰囲気が、
ぐっと柔らかくなりました。

ここから本番がスタートします。
ゆっくりと進んでいくごく普通の毎日を丁寧に描いた本作品。シンプルな作品だからこそ、求められるのがキャラクターの気持ちを
表現する役者さんの演技です。ふっとした台詞の一言に重みをもたせ、心の中の感情を表現したり、台詞にはならない『間』を
空けることによって、作品の雰囲気伝えたり。
キャラクター達の気持ちがだんだんと変化していく様子が丁寧に紡がれて、心に切なく響きます。
鈴村さんには、落ち着いたトーンで市太を演じていただきました。弘・仁・富士雄の3人に対しての、接し方や雰囲気がしっかりと
演じ分けられ、市太の気持ちをしっかりと表現してくださいました。
また、モノローグでは、弘への気持ちに気付いてしまった市太の切なく愛おしい気持ちがゆっくりと語られ、強くお話の中に
吸い込まれます。
三木さん演じる弘は、序盤は多くを語ることはありませんが、ボソッと呟く一言と、会話の中の『間』に、心情の全てが表現されています。
また、どっしりと構えているように見えるのに、市太に関しては、実は余裕がない弘や、想いが通じ合ってからの弘。ストーリーが進むに
つれて変化していく心情を丁寧に演じていただきました。

先生をはじめ、スタッフ全員が引き込まれた、市太と弘がお互いの気持ちを吐露する場面。
長い間押し殺してきた気持ちを吐き出す弘と、そんな弘に激昂しながらも、自分の気持ちを、涙をこぼしながら打ち明ける市太。
このお2人の演技は、必聴です！！
マイク前で、声を震わせ、嗚咽を漏らす迫真の演技！！じっくりと聴いていただきたいです。

その後、心が通じ合った2人の甘甘ムード全開な様子もお楽しみください。
仁役の大川さんは、声に『色気』を含みつつ、ちょっと軽めな口調が特徴です。
ノリノリで常に勢いのある物言いが、原作の仁にぴったりでした。市太にピーナッツを投げるアドリブが可愛かったり、『むぎゅっ』っと
市太の口を指で摘まんでみたり。市太との会話や、2人のやりとりはテンポ良く、仲良くじゃれあっているようで、微笑ましいです。
たてかべさんは、おちゃめな富士雄を演じていただきました。
そのキュートさに、ユキムラ先生も笑顔を見せていらっしゃいました。語尾にハートマークが飛び交っていそうな可愛いおじいちゃんで、
市太を可愛がるあまりに暴走する様子も微笑ましかったです。

短い休憩を挟み、順調に収録は進んでいきます。ゆっくりと時間が経過していく中で、長い間『嘘つき』だった2人の関係に
変化が現れます。
キャストの皆さんの素晴らしい演技をぜひぜひ堪能していただきたいと思います。そして、本編の収録は無事に終了となりました。

エンディングトークでは、鈴村さんが司会を担当。
それぞれの感想を皆さんとお話しつつ、楽しいお話がぎゅぎゅっと詰まっています。
また、収録2日前まで42度の高熱が出ていたとお話されていた鈴村さん。辛い表情などまったく見せず、収録中笑顔が途絶えることは
ありませんでした。楽しい司会進行、皆さんもぜひお楽しみください。
写真撮影は、集合写真やお2人ずつのカットを撮影させていただきました。撮影中、鈴村さんが楽しい話を連発。
皆さんの柔らかい表情を撮ることができました。

それでは、4月28日発売『嘘つきはだれだ』皆さん、ぜひお楽しみにっ！！！