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言いなり 収録レポート



※本レポートには作品のネタバレが含まれますので、ご注意ください。

先日、都内スタジオにて丸木文華先生の『言いなり』の収録が行われました。
収録当日、続々とスタジオに入られるキャストの皆さん。スタジオ内は収録前から和気藹々とした雰囲気。
全員が揃ったところで、キャスト全員の紹介、先生のご挨拶が行われ、テスト収録です。
数シーンを演じていきながらそれぞれのキャラクター設定を行います。

坂井圭一役の阿部敦さん。
おしゃれで中性的なルックス、特定の彼女を作らず来るもの拒まずな圭一。
そんな圭一を阿部さんが今どきの若者といった様子やチャラさを前面に出して演じてくださいました。
見下したような面倒くさそうな様子と軽めの声が圭一そのもの!
物語が進むにつれ、圭一の本来の姿が出てくるということで、軽薄さの中にも彼本来のおとなしい性格を念頭に置いて頂き、
徐々に今どきの派手な圭一から本来の姿が表れてくるよう演じてほしいとリクエストが伝えられました。

本川剛役の興津和幸さん。
大きな体にモサい外見、いつも圭一の後をついて回る姿に周囲から圭一の犬と揶揄されている剛。
圭一の命令には絶対服従で、ニコニコとした表情で空気を読まない様子や低姿勢な態度、無神経そうな性格等、
興津さんが絶妙な加減で演じてくださいました。
従順さ、穏やかそうな様子、何を考えてるかわからない表情…と場面ごとに少しMっ気を強めてみたり、
狂気をにじませてみたりとバランスを調整しながら演じて頂くことになりました。

その他、キャラクターの的確なイメージや要望などもキャストの皆さんに伝えられ、キャラクター設定が終了しました。

物語は圭一と友人の敦史が居酒屋で飲んでいるところへ、剛がやってくるシーンから始まります。
まるで犬がしっぽを振っているかのように終始圭一につきまとう剛と、
鬱陶しそうに嫌がる圭一のやり取りがイメージぴったりで、冒頭から物語の世界観に引き込まれます。

圭一を演じられる阿部さん。
軽薄な雰囲気、真面目で弱くおとなしい姿、欲望に乱れる様…と全編を通して、
細やかな演技で圭一のいろんな表情を見せてくださいました。
尻軽な女性とつるみ、誘われれば誰とでも寝るロクデナシ。
ヒエラルキーの支配する側の人間として、剛を邪険にし、犬扱いしながら命令する圭一ですが、
それは自分の身を守るために必死に作り上げた鎧で…。
阿部さんが声の圧を調整しながら、気だるげで遊び慣れた様子の圭一の<表の顔>を演じられます。
かと思えば、声を震わせたり、強弱をつけたりしながら、鎧が剥がれないよう取り繕う<本来の弱い自分>の姿を繊細に演じてくださり、
揺れ動く圭一の複雑な心情を見事に表現してくださいました。

剛を演じられる興津さん。
ご本人がインタビューでも仰っていたとおり、犬、ドM、ドS…と作中、圭一同様、剛の様々な表情を見せてくださっています。
ニコニコと唯々諾々に周りの命令に従う、圭一とは正反対の支配される側である剛。
圭一の命令をきくのが嬉しいといった様子を、興津さんが少し高めのトーンで、声をはずませながら演じられます。
圭一から雑な扱いをされているのに、ウキウキと嬉しそうな剛の様子が目に浮かびます。

あまりの犬っぷりに周囲から嘲笑されからかわれる剛。
飲み会で媚薬を飲まされ欲情するシーンでは、徐々に息を荒げ、オスの色気ムンムンな熱のこもった演技をしてくださいました。
物語序盤から怒涛のセクシーな展開にドキドキがとまりません(笑)。

支配する側の圭一と支配される側の剛。二人の関係性が、ある出来事により徐々に変わり始めます。
剛のおかげで窮地を抜け出せた圭一は、“ご褒美”として体を重ねるようになり――。

自分を守るために剛を利用することにした圭一ですが、身体を重ね一緒にいるうちに、徐々に心境が変化していきます。
他の誰かに剛を奪われたくないと嫉妬したり、自分の近くに剛をおいておこうとしたりと、自身の気持ちの変化に戸惑いを隠せません。
そんな圭一の心の移り変わりや、自身の奥底に隠された想いを垣間見せるシーンを、
阿部さんが様々な感情のニュアンスを載せて繊細に表現されます。
いつのまにか剛の強い独占欲に流されていく圭一。反発しながらも、最終的には拒否ができず…。
徐々に鎧が剥がれ落ち、本来の内向的な弱い性格になっていく演技の移り変わりはさすがの一言です!

一方の剛は、物語が進むにつれ、どんどん圭一に対しての執着心を露わにしていきます。
今まで以上にべったり、圭一の知らぬ間に勝手にバイトを辞めさせる等、常軌を逸した行動を見せる剛。
これまで通り犬のように甘えたり、圭一の命令を尻尾を振りながら聞いているはずなのに、初めの印象とはだいぶ違う雰囲気に…。
圭一への執着心と異常なほどの愛情が、興津さんのねっとりとした言い回しで増長され、セリフの端々からあふれ出ています。
物語が進むにつれ、どんどん仄暗い雰囲気が増していき、明るい笑顔を浮かべていても、
どこか狂気を感じさせる興津さんの演技は必聴です!
剛は本当に圭一の犬なのか…? それとも…?

支配する側、される側、いつの間にか逆転しつつある剛と圭一。
ラストは思わずハッとさせられる内容になっています。
二人の行く末はぜひCDを聞いてお確かめください!

そして、肌を重ねるシーンでは、圭一の部屋で剛にご褒美として♥、学校のトイレでもご褒美に…、禁欲解禁宣言の♥と、
二人の淫靡な場面がいっぱいです!
特にオススメなのが初めて二人が体を重ねるシーン。数ページにわたって濃厚なシーンを演じていただきました。
貪りつくような激しく扇情的な二人のやり取りは必聴です!
欲情を抑えられない剛と、乱暴な快感に翻弄される圭一。
興奮した剛の淫らなセリフや圭一の抑えきれない甘い声には赤面必至です。
刺激的なこのシーン、ぜひご堪能頂ければ幸いです(笑)。
物語全体を通して、どこか濃くねっとりとした雰囲気が漂う本作。
その雰囲気がラブシーンをより官能的なものにするスパイスになっています。
どのシーンも色っぽさ全開で大興奮です!

以上、キャストの皆さんの熱演により収録は順調に進み、無事本編が終了となりました。

購入特典の「阿部さん&興津さんのフリートーク」では、キャラクターについて、
共演のご感想、お題にそったトーク等、盛りだくさんの内容になっています。
内容は手に入れてくださった方のお楽しみなのですが、ちょっぴりお話しますと――。
“興津さん突然の…!?(笑)”“その辺で正座してて”、“一攫千金!”等々、面白トークは必聴です! 
ぜひぜひ手に入れてくださいね。

丸木先生の書かれた濃厚な世界観と魅力的なキャラクター達を音で表現できるように、拘りに拘った収録は、
チームワークもよく楽しい雰囲気のまま、無事終了となりました。
2016年5月28日発売『言いなり』。皆さまぜひお楽しみに!!

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