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Recording Report

言ノ葉便り 収録レポート



※本レポートには作品のネタばれが含まれますのでご注意下さい。

先日、都内スタジオにて『言ノ葉便り』の収録が行なわれました。

収録当日、続々とキャストの皆さんがスタジオ入りされます。
原作者の砂原先生のご挨拶の後、今回演じられるキャラクターについての話し合いがじっくり行なわれました。

前作の『言ノ葉ノ花』、ポイント交換で登場した『言ノ葉日和』から時が経ち、余村と長谷部の関係性も深まるばかり。
そんな中、キャラクターについて細かいところまで分析されるキャストの皆さん。シーンごとのキャラクターの心情、台詞の意図を一つ一つ確認されます。
綿密なディスカッションを行ない、テスト収録へ。数シーンを演じていきながら、それぞれのキャラクターの設定を行います。

余村和明役の神谷浩史さん。
しっとりした、落ち着いた大人の雰囲気で演じて下さいました。心に染み入ってくるような台詞回しが素敵です! 
基本ラインはもちろん一発OK、さらに今回は二人がつき合い始めて半年後のお話のため、幸せなムードからのスタートということで、
序盤は優しいトーンを意識して演じて頂けるようリクエストがありました。

長谷部修一役の小野大輔さん。
不器用で口下手ながらも、誠実さが前面に表れている演技にテストの段階から胸がキュンとさせられます。
こちらも第一声からスタッフ一同イメージ通りということで、そのまま進んで頂くことになりました。

長谷部果奈役の武田華さん。
明るく生き生きとした演技で、登場するとパッとその場に光がさすようです。
まるで果奈が目の前にいるかのようなキャラクターそのものの演技に、もちろん一発OK。

その他の各キャラクターの的確なイメージや要望などもキャストの皆さんに伝えられ、キャラクター設定が終了しました。

テストが終わるといよいよ本番です。
物語は余村と長谷部の何気ない日常の1シーンから始まります。
二人の甘いやりとりに冒頭から聞いているこちらも何とも嬉しい気持ちに。
余村を演じられる神谷さん。余村の感情を一言一言に乗せて、とにかく繊細に表現して下さいました。余村が何を考えているのか、どう思ってこう言っているのか。
どういう意図でこう行動するのか。キャラクターの行動や心理を深く追求し、一つ一つ丁寧に台詞を紡がれます。
「作品のファンの方の期待を裏切りたくない」「聞いて下さった方がハッピーになってほしい」と、自身の演技にも厳しく、
役を突き詰めて演じられる神谷さんの姿勢には、スタッフ一同感嘆するばかりでした。

長谷部とのラブラブな場面では、余裕ぶってみせたり、甘えてみせたり。
思わず聞いているこちらが「かわいい♥」「色っぽい♥」と悶えてしまうような演技をして下さったかと思うと、一転、長谷部の妹・果奈に二人の関係を知られてからは、
不安や戸惑いに押しつぶされそうになる余村。落としたトーンや震える声、時にこらえ切れずブワッと溢れたり…余村の揺れる想いや苦しみが、
神谷さんの紡がれるモノローグや台詞から痛いほど伝わってきます。

そんな余村を愛する長谷部を演じられる小野さん。
余村への愛情が朴訥とした中にも溢れんばかりに伝わってきます。小野さんの真摯な演技が、長谷部の持つ芯の強さを引き立てています。
「ここはもう少し抑えた方がいいですか?」「こういう風にやってみたいんですけどどうでしょうか?」と、収録中、演技プランを積極的に提案して下さいました。

基本的には感情があまり表に出ないタイプの長谷部。
ですが小野さんが絶妙なさじ加減で、心の奥底に渦巻く長谷部の想いを台詞の端々に滲ませて下さいます。落ち着いたトーンの中にも、余村への愛情が
ひしひしと表れてるのはもちろんのこと、果奈の件で自分から離れていこうとする余村への怒りや悲しみも痛いほど伝わってきます。
小野さんの紡がれる、余村への熱のこもった演技を聞いてると「こんなに愛されたら幸せだろうな」としみじみ感じて、思わず目頭が熱くなってしまいます。

長谷部の妹・果奈を演じられる武田さん。
前作『言ノ葉ノ花』から7年ぶりの登場の上、今作で「こんな重要な役どころになるとは…」と不安げな様子でしたが、流石の一言でした。
ムードメーカー的な存在で、感情表現の豊かな果奈を生き生きと表現して下さる武田さん。物語が進むにつれて色んな表情を見せるのですが、
明るい場面は弾けたように、シリアスな場面ではがらっと表情を変え、冷たささえも感じられるトーンで…とメリハリのある演技が素晴らしいです!
長谷部と余村の関係を知ってからの戸惑い、受け入れようと思いつつも素直に受け入れられない悲しみ。
愛憎渦巻く複雑な果奈の心情を細やかに表現される武田さん。この果奈の存在が、二人の関係を揺り動かすのですが…。

二人の関係が果奈に知られ、ぎくしゃくしてしまう二人。
果奈の気持ちを思うとしばらく距離を置いた方がよいのでは? と思い悩む余村と、そんな余村に苛立ちを抑えきれない長谷部。
「果奈に知られても、自分の気持ちは変わらない」とこれまで抱えてきた想いをぶつけます。
小野さんの演じられる長谷部の台詞から伝わってくるもどかしいほどの愛情と、それを受けてもなお、長谷部をこばんでしまう余村。
神谷さんと小野さん、お二人のやりとりに耳を傾けていると、その切ないすれ違いに思わず目が潤んできてしまいます。
お互いを想いあってるからこそ、すれ違い、傷つけあう二人の姿は聞いているだけで胸がつぶれそうなほどに切ないです。

また、物語後半、余村と果奈のやりとりは心が震えました。
神谷さんと武田さんの演じられる本音と本音のぶつかりあいは、本当に鳥肌ものです!
恋人を愛するが故に、その家族を傷つけたくないという気持ち。でも、果奈を傷つけたとしても、長谷部と離れられないという想い。
兄に幸せになってほしい。二人の関係を祝福したいという気持ちと、相反する祝福したくないという気持ち。そう思ってしまう自分へのふがいなさ。
お二人の迫真の演技に、涙をこらえるのに必死で言葉がでませんでした。

さらに、なんといっても、果奈とのやりとりを経て、余村と長谷部、二人の絆がより深くなる場面は必聴です!
長谷部の真摯な愛の言葉と余村の決意。長谷部の愛情溢れる台詞を、小野さんがまっすぐに、心に染み入るトーンで演じて下さっています。
その想いを受け、改めて長谷部への愛情を口にする余村。神谷さんの紡がれる、囁くような静かな語りに、スタジオ中が静まり返りました。

余村、長谷部、果奈と、メインキャラクター達の心情をキャストの皆さんが深く理解されていて、スタッフ一同、そんなキャスト陣の熱演に圧倒されて聞き入るばかり。
ほぼ何も言うことがない状態で収録は進んでいきました。

他にもあげたい場面はたくさんあるのですが、すれ違いが続き、これまでの切ない想いが晴れてから、
ラストは思わず笑顔がこぼれるような幸福感に溢れた物語に仕上がっています。

そして、肌を重ねるシーンは、つきあって半年後のラブラブの♥シーンや、公園での場面、果奈のことで紆余曲折あった後、
お互いの気持ちを確かめ合う場面と、どの場面も熱っぽくも繊細で、素敵なシーンばかりです。
聞いているこちらが切なくなったり、ハラハラドキドキしたり、萌えてキュンとさせられたりと、臨場感と熱量にあふれ、原作に負けじと美しくかつ色っぽく、
聞き所満載の場面に仕上がっていますので、お楽しみに。

以上、キャストの皆さんの熱演により収録は順調に進み、無事本編の収録が終了。
切なく胸が締め付けられるような場面もありますが、最後には温かい気持ちになれること間違いなしです。
久しぶりの『言ノ葉ノ花』シリーズ新作ということで、キャラクター達の成長具合や心情の移り変わり、作品の空気感を余すところなく表現できるよう
拘った収録になりました。
シリーズを応援して下さっている皆さんの期待を裏切ることのない作品になったと思います。
2015年7月28日発売『言ノ葉便り』。 皆さんぜひお楽しみください!!



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