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Recording Report

たおやかな真情 収録レポート



※本レポートには内容のネタバレが含まれます。ご注意下さい。

先日、都内スタジオにて『たおやかな真情』の収録が行なわれました。

収録当日。続々とキャストの皆さんが集まって来られます。
変則的なスケジュールで収録した今回。まずは三島役の関さん、壱都役の小林さんをはじめ、
メインの慈英&臣以外の部分から先に収録をしていく形となりました。
原作者の崎谷先生のご挨拶の後は、役作りに関してのディスカッションが。
お久しぶりの登場・三島役の関さん。前作で演じられたキャラクターを確認された後、今回の三島の立場や役どころについて綿密なうちあわせが行われました。
前作からどういう経緯で今に至るのか、彼はどんな心境なのか、三島のキャラクターについて詳しく先生に質問されていました。

今回初登場・壱都役の小林さん。大変難しい役どころということで悩まれたようで、
役作りについて先生にご相談されていました。壱都は見た目は10代前半の女の子、本当は『20歳の青年』(ネタバレOKの方は二重括弧の中を反転して下さい
なのですが、一般社会からかけ離れた存在で、性別を意識していないキャラのため、先生より、女の子的に、見た目にあわせたキャラづくりでというアドバイスが。
壱都の方向性を確認された小林さん、納得されたご様子で脚本に真剣に目を通されていました。

綿密なディスカッションの後、テストへ。数シーンを演じていきながらそれぞれのキャラクターの設定を行います。
三島役の関さん。落ち着いたハスキーな声音がなんともセクシーです! 以前の怪しさはどこへやら(笑)、
なんとも頼りがいのある男っぽい雰囲気に、ブースからは「かっこいい!」と大絶賛。そのまま本番へ進んで頂くことになりました。

壱都役の小林さん。かわいらしく、かつどことなく不思議な雰囲気も漂わせた、少し浮世離れした雰囲気で演じて下さいました。
基本のラインはOK、さらに先生から「あんまり周りの人のことを考えてないタイプなので、あっけらかんとした、
もっと天然っぽくて明るい元気な感じでもいいです。子供っぽいというか」というリクエストが出されると、
小林さん「もっと本能的な、あんまり考えないで動いている感じの子なんですね」と頷かれていました。

その他、浩三、堺刑事などのお馴染みのキャラクターについては、前作の声を聞いてキャラクターの確認をしていきます。
もちろん皆さんテストの必要もないほど、すぐさま一発OK。テストの段階から一瞬で慈英×臣シリーズの世界が広がっていきます。
納得の演技に、すぐに本番に入ることになりました。

物語は、三島と壱都のシーンから始まります。ネットオークションに慈英の絵が出品されているのを見つける三島。
何かの予兆を感じさせるような三島のナレーション。そして、見え隠れする三島と壱都の関係性――。
思わず冒頭から物語に引きこまれること間違いなしです! 

三島と壱都のシーンを中心に収録を進めているところで、メインの慈英役の三木さん・臣役の神谷さんも合流。
スタジオに入られるなり、すぐさま収録に参加されます。
そのままキャラ確認なしにシーンテスト(場面ごとのテスト収録)に合流。関さんや小林さん、
他キャストの皆さんとかけあいながら、シーンを進めていきます。
前作の音声を聞き返したりする必要もなく、第一声から誰もが納得するほど慈英と臣そのもののお二人。
先生も「慈英と臣です」とにっこり。プロデューサーからも「さすがもうそのまんまだね」と声がかけられると、
三木さんと神谷さん「おだてても何も出ませんよ(笑)」と仰りつつもその抜群のキャラクター把握っぷりは、
まさにその場に本物の慈英と臣がいるかのようでした。

物語は、前作『はなやかな哀情』後、慈英の記憶が戻ってからのお話になります。
数日の蜜月もそこそこに、養子縁組の話から再びぎくしゃくしてしまう慈英と臣。二人の気持ちの擦れ違いがなんとももどかしく切ないです。

さて、おなじみ『慈英さん』と先生にも呼ばれるほど、まさにキャラクターそのものといった感じの秀島慈英役・三木さん。
記憶を取り戻してからもどことなくバランスがとれない自分に苛立ったり、尖がったり、落ちたり、かと思うと優しかったり。
アンバランスに揺れ動く慈英の心情を繊細に表現してくださいました。
今回、かなりシリアスな内容なだけに、どちらかというと陰の面の方が多い慈英なのですが、
低く落とした声でつぶやく場面はぞっとするほど冷たかったり、声にならないほどの声で紡がれる独白が、
慈英の心の奥底からえぐり出したような、聞いているだけで辛くなってしまうほどの力を持っていたり…。
声のトーン、間、息。それらすべてが慈英そのものというような、圧倒的なまでの三木さんの心情表現に、
先生、スタッフ全員が終始ただただ聞き入るだけでした。
有無を言わせないほどの迫力でぶつけられる、三木さん演じられる『慈英』の心情を感じて下さい。

そして、小山臣役の神谷さん。情緒不安定な慈英に振り回され、傷つき苦しみつつも慈英を思いやる姿がなんとも健気です。
表現豊かな臣を今回も細やかに演じて下さる神谷さん。刑事としてのきりっとした姿はもちろん、
優しく慈英をなだめたり、それでも心が擦れ違い、諦めを感じたり、苛立ったり、不安に揺らいだり…。
聞いているこちらが引きずられてしまうほど、繊細に臣の心情を表現して下さっています。
慈英に自分の気持ちをわかってもらおうとする場面では、身振り手振りをしつつ、臣の想いを語られる神谷さん。
神谷さんが発せられる一言一言が、まさに臣そのものといった雰囲気で、本当にリアリティーと存在感があります。
明るくふるまいつつも傷ついていたり、とにかく切なく痛い場面の多い臣ですが、神谷さんがその臣の気持ちを痛いほど表現して下さっています。
聞いていると臣の心の揺れ動きに思わず心が震えることは間違いありません! 

激高したり、潜めたり。慈英も臣、どちらも比較的内面の感情のふり幅の大きいキャラクターだと思うのですが、お二人の演技を聞いていると、
一つの台詞やモノローグでキャラの感情をこんなにも雄弁に伝えられるものなんだな、としみじみ感じさせられます。
時にその想いが強すぎて、聞いているこちらが泣きそうになったり、ひきずられたりもするのですが、
その辛さでさえ心地いいような気になってしまいます。

そんなこのシリーズ、原作者の崎谷先生が紡がれる物語や台詞の威力はもちろんのこと、
キャストの方々のキャラへの深い理解がこのCDの世界観を広げる要因になっていると思います。
本当にそれぞれのキャラクターを理解して下さっている三木さんと神谷さん。
収録中、合間合間にキャラの立場にたってのディスカッションが。このシリーズ恒例の光景です。
それによって台詞が変わったり、アドリブが加わったりもしばしばなのですが、
先生「慈英さんの言うとおりで」「臣さんにお任せします」
と先生のお二人への信頼と、お任せして下さる度量の広さ、そしてまさに三木さんと神谷さんがそれぞれの役を自分のものにされているからこそ
みられる光景だと思わされます。
脚本上泣く場面じゃなくても、役に入り込んで自然に涙があふれ、それがそのまま生かされたり、キャラとして怒ったり。
このシリーズは毎回圧倒的な早さで収録が進んでいくのですが、「あー、慈英と臣だなー…」としか言いようのないお二人の演技に、
その場にいる全員が納得しきりで、ほぼ全編を通して一発OKなのでした。

そして、三木さん、神谷さんだけでなく、このシリーズに登場する他キャストの皆さん方の演技も本当に素晴らしいです!
町の青年団団長・丸山浩三役のてらそまさん。今回もまさにムードーメーカー! 明るくエネルギーに溢れる浩三さんを熱演して下さっています。
出番は多くないですが、迫力満点の捕り物シーンや、必聴なのは壱都のことを詮索しない懐の深さです。
優しい落ち着いたトーンが本当に素敵です。そして恒例のお茶目なアドリブ等、慈英×臣シリーズにはかかせない存在感を放っています! 

臣の父親代わり・堺刑事役を演じられる中村さん。味のある演技が物語に深みを与えてくれています。
コミカルな台詞回しも含みつつ、シリアスな場面ではしぶく低いトーンがなんともかっこいいです! 堺さんファンが多いのも頷けるかっこよさです。
臣とのやりとりは息ぴったり! 中村さんと神谷さんが二人並んで演じられているのを後ろから見ていると、
肩をあげつつ怒る中村さんに、怒られて肩をすくめる神谷さんと、お二人とも身振り手振りをしながらの演技で、まさに役そのもの、
本当の親子のようにすら感じられました(笑)。

キャストの皆さんの熱演に、聞いているこちらも一喜一憂しつつ、収録は順調に進んでいきます。
とにかく聞きどころ満載の本作なのですが、中でもおすすめの場面は、ディスク1の最後、三島が光臨の導きのメンバーに痛めつけられる場面です。
どんなに痛めつけられても、壱都を守るために折れない三島がとにかくかっこいいです!!
関さんの苦しげに振り絞られた、でも芯のある台詞の一つ一つから、三島の壱都への想いが溢れています。この場面、映画のような迫力です! 必聴です!

さらに、慈英と壱都が二人でそら豆のさやをむきながら話す場面。
慈英の心の奥底をさらけ出したような、まるで懺悔のような場面は、慈英の苦しい想いが痛いほど伝わってきて、胸が苦しくなります。
そしてそれをふっと受け入れ、許し、慈英を導く壱都。
小林さんの明るく美しい声音が、どこか天使のようにすら感じられて、壱都の不思議な魅力にあふれた場面に仕上がっています。

そして、慈英がアメリカに活動の拠点を置くかもしれないということを臣と話す場面。
迷いの吹っ切れた慈英と、反対に足元のぐらつく臣。動き出す立場と、自分の居場所、存在価値。慈英の優しい穏やかな声音と、
臣の震えるとぎれとぎれの台詞が、なんとも心を打ちます。
愛してると言い合いながらも、どこかかみ合わない二人。愛し合う行為をしつつも、切なく苦しい臣の心に、聞いているこちらまで胸がぎゅっと苦しくなります。

また、離ればなれになっていた三島と壱都が再会する場面では、壱都の感情がぶわっと溢れ、なんとも感動的なシーンです。
これまであっけらかんとした雰囲気で、感情があるようでないようだった壱都の本当の姿が垣間見れる場面だと思います。
壱都は三島の前で本当の自分を見せられるんだなと、そして、三島もどんな目にあっても、壱都の信頼を裏切らないで、壱都を守っていくんだなと、
二人の結びつきを感じずにはいられない、素敵な場面です。

そして、メインのお二人の恋愛的な場面はどのシーンも聞きどころとしか言いようがないのですが、
何と言ってもディスク2の物語終盤、慈英がアメリカに行くと決意した場面です。
ここでの慈英と臣のやりとりはとにかく必聴です! 
爆発しそうな何かをこらえて必死に笑う臣が本当に切ないです。抑えた中にも臣の溢れんばかりの想いが詰まってることが伝わってきます。
そして、そんな臣を強く抱きしめる慈英。この場面、三木さんのじりじりと暗く潜めた台詞回しが、どこへ行こうと何が変わろうと絶対に臣を逃がさないという、
ともすれば狂気を孕んだような慈英の愛情を余すところなく表しています。
臣の存在全てを絡め取ろうかという勢いで繰り広げられる慈英の愛情表現と、それを怯え震えながらも必死に受けとめる臣。
まさにクライマックスにふさわしい、大迫力の演技と演技のぶつかり合い。
それまで擦れ違いが長かった分、思わず涙があふれるような、心を揺さぶるシーンに仕上がっています。

さて、本作はシリアスな怒涛の展開が続きますが、肌を重ねる場面も盛りだくさんです。
慈英と臣の気持ちがすれ違ったまま、どこか激しく荒れた行為の場面では、色っぽいのになんとも切ないシーンになっています。
物語終盤、愛情を確認しあい、激しく愛し合う場面。セクシーな慈英とかわいすぎる臣に言葉もありません(笑)。
これまで苦しかった分、思う存分ラブラブしてほしい! と思わずにはいられない素敵なシーンです。
どのシーンもそれぞれ熱を入れて演じて頂いています。聞き所満載の場面に仕上がっていますので、お楽しみに!

そして、特典ミニドラマCD。
こちらは『はなやかな哀情』後、慈英が記憶を取り戻してからの甘々エピソードを音声化したものになります。
これはもうぜひ聞いて下さいっ!! としか言えません!
寝ぼけ声の臣の尋常じゃない可愛さに度肝を抜かれ(笑)、声を潜めて甘える慈英の色っぽさに「おおお…!!」と声にならない声が漏れるほど。
収録中、スタッフブースは悶絶の嵐でした(笑)。その場の全員が赤面して震えるほど、甘〜くかつ激しいです! ぜひこちらもお楽しみに!

これから慈英と臣はどうなってしまうのか? 原作の濃密度、熱さ、勢いもそのままに、慈英×臣の軌跡を音声でもあますところなく描いています!
ドラマCD『たおやかな真情』、2012年7月28日発売です!

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