Atis collection

[Atis collection] >> [Recording Report] >> [しなやかな熱情]

Recording Report

しなやかな熱情 収録レポート

秀島慈英 役 三木眞一郎 さん  小山 臣 役 神谷浩史 さん

8月下旬 「しなやかな熱情」 の収録に行ってまいりました。
「慈英・臣シリーズ」 第1弾となる本作品。
Disc2枚組の長編作品のため、2日間に分かれての収録となりました。

■ 収録1日目

朝早くスタジオに入ると、控え室には溢れんばかりの人、人、人。
その人数の多さに、驚いているところに、にこやかに挨拶をしてくださる皆さん。
今回の作品は、これまでのAtis作品の中でも登場人物が1番多く、収録を前に控え室は早くも熱気に溢れていました。
収録前、スタジオ入りした三木さんは、プロデューサーと台本を片手に真剣な表情で打ち合わせを始めます。
演じられる慈英のキャラクターについて三木さんから、脚本や原作本の中から読み取る慈英と、
イラストで見る慈英ではギャップを感じるため、しっかりとした慈英像を把握したい、というお話がありました。
この質問に対してプロデューサーは、崎谷先生からお話を伺い、慈英の人物像や性格、内面と外見の違いについてなど、細かい説明が行なわれました。
『上品で育ちがよく、天才肌。少しピントがずれているところなどもあること、見た目はワイルド系でありつつ、あくまでも、文章の中で表現されている慈英で演じてください』
というお話に、大きく頷く三木さんでした。
また、神谷さんも開始前から真剣な表情で、台本に何度も何度も目を通していらっしゃいました。

収録開始前、プロデューサーが原作の崎谷先生を皆さんに紹介した後、1日目の収録スケジュールの確認が行なわれました。
「崎谷先生のドラマCDは今までにたくさん制作されていますが、その中でも1番良い作品にしたいと思っています」にっこりと、
そしてしっかりとキャストの皆さんに向けて語られたプロデューサーの言葉に、キャスト・スタッフ全員の気持ちが引き締まります。

キャストの皆さんの準備が整ったところで、テスト収録が開始されます。
数シーンを演じる中で、作中に登場するキャラクター1人1人の声質を決定すると共に、キャラクターの雰囲気などを掴んでいきます。
また、このテスト収録にて、キャストの皆さん全員のバランスなども調整していきます。
テスト収録後、キャラクターについて、話し合いの時間が作られます。

キャラクターの設定が1番難しい三木さん演じる慈英に関しては、コミカルに聴こえてしまっている部分を、もう少し感情を出さずに、抑揚を抑えていただくことになりました。
ナレーションも、テスト時よりも感情をのせないように演じていただくことになりました。
また、臣の整った顔を見て、ラファエロを思い出すシーンは、「人間的に気になる」というよりも、「画家として見惚れている」という雰囲気を出してもらうことになりました。

神谷さん演じる臣に関しては、キャラクターとしては問題なく、演じられたまま進んでいただくことになりました。
登場シーンは刑事として格好つけつつ、慈英との言葉のやり取りにイライラと怒る様子は子供っぽさを出してもらうことになりました。

風間さん演じる照映に関しては、格好良い落ち着いた青年風の声で演じていただいていたところを、
照映のイメージは、がらっぱちで荒っぽいキャラということで、もっと人をからかうような悪っぽさを出して、慈英と対象的な雰囲気を出してもらうことになりました。
慈英よりも上の立場として、慈英に話をする感じで。からかう口調で話しつつも、慈英を優しく見守る雰囲気をしっかりとだしていただくことになりました。

また、その他のキャラクターに関しても、それぞれの声質を確認し、
作品全体のバランスはとれているか、原作の世界観がしっかりと作られているかどうか等を話し合いました。
話し合った内容は、プロデューサーからキャストの皆さんへ的確に伝えられていきます。
じっくりと話を聞いた三木さんは、脚本にじっと視線を落とし、しばらく経った後、
「了解です!解りました!」とご自身の中でしっかりと「慈英」についてのキャラクターを自分に取り込まれた様子でした。

 

今年の夏、1番の暑さを記録したのでは…と思うほどの猛暑の中、真剣な表情でマイク前に向かうキャストの皆さん。
プロデューサーのタイトルコールの後、いよいよ本番がスタートします。
作品中、1番台詞量が多く、キャラクターの役作りも難しい慈英を演じる三木さん。
台詞・ナレーション・モノローグが聴き手にはっきりと伝わるよう、繊細な演技が求められましたが、三木さんの演技に、崎谷先生をはじめ、スタッフ全員が息を飲みました。
台詞や息の1つまで、全てが「慈英」そのものでした。その素晴らしい演技をぜひお確かめください。

臣を演じる神谷さんは、熱血で意地っ張り、血気盛んな刑事を演じていただきました。
慈英同様、神谷さんに息を吹き込まれた臣も、活き活きとした姿を聴き手に想像させます。
使命感溢れる刑事だったり、子供っぽく慈英に噛み付いたり、妖艶に慈英を誘ったり…どの臣も臣でありながら、その演技はやはり秀逸です。
さまざまな表情を見せる臣を、ぜひお楽しみください。

照映を演じる風間さんは、慈英の兄貴分として、低音でしっかりと落ち着いた演技をしていただきました。
普段の風間さんの声とは一味も二味も違った声質に、皆さん驚かれると思います。大人の余裕をたっぷりと感じさせる照映を演じていただきました。

今回の作品をドラマCD化することで最も重要となる部分として、原作で丁寧に綴られているキャラクターの内面や過去、さまざまな感情があげられます。
慈英と臣。それぞれが生きてきた道や、それを取り巻く環境、そして、2人の出会いからはじまる新たな感情の揺れなど。お互いの空気感を大事に演じていただきました。
三木さんの語りに耳を傾けていると、優しげに語られるその口調に、物語の情景が浮かんでくるようです。

収録は順調に進み、後半部分に入っていきます。
冒頭、慈英に噛み付いてばかりいた臣が、だんだんと慈英にさまざまな表情を見せはじめ、無防備で愛らしい様子や台詞も少しずつ増えていきます。
ここでの神谷さんの声質の変化や、雰囲気の違いに注目してください。
コーヒーショップでのシーンを収録中、「くぅ〜っ」という可愛い音が響きます。
「あーっ、ごめんなさいっ!俺ですっ!」と、お腹を抑え、慌てた様子の神谷さんに、「大丈夫、大丈夫」と優しく微笑む三木さん。
ハンバーガーを頬張っていたシーンの途中で、タイミングよく(?)神谷さんのお腹が鳴ってしまったのでした。

収録中1番驚いたことは、キャストの皆さんのリテイクの少なさです。
もう少し違ったニュアンスの声を求める場合など、部分部分で修正を行なうのですが、こ の収録では、そういったリテイクがほとんど出ることはありませんでした。
三木さんと神谷さんの作り出す空気が、慈英と臣の雰囲気にぴったりとはまっていて、
崎谷先生をはじめ、スタッフ全員がガラスの向こうを見つめ、じっと耳を傾けていました。
キャストの皆さんが紡ぎだす世界に、圧倒されつつ、1日目の収録は無事に終了となりました。

■ 収録2日目

スタジオ入りしたキャストの皆さんに向け、2日目の収録スケジュールを説明後、テスト収録が行なわれます。
先日に引き続き、しっかりとキャラクターを掴んでいる三木さんと神谷さんにプロデューサーは、「この2人は、やっぱり安心できるね」と、にっこりと微笑みます。

プロデューサー 「モノローグ・ナレーション・素の部分と、後半部分も大変だけどお願いします。でも、みきしんなら大丈夫でしょ?」
三木さん 「難易度高い事言わないでください(笑)」
プロデューサー 「え?みきしんに任せたら大丈夫でしょ?(笑)」
三木さん 「やり難くなるじゃないですか(笑)」
神谷さん 「(笑)」

2日目の本番がスタートすると、すうっとキャストの皆さんが「役」に入っていく様子をガラス越しに感じました。
三木さん・神谷さんの纏っている雰囲気までが先程までとはガラリと変化し、そこから紡がれる言葉は、慈英と臣でした。
物語が大きく動き出すDisc2では、1日目以上に慈英と臣の繊細な演技が求められました。
台詞の1つ1つや、お互いの間合いなど、音だけの世界で、キャラクターのほんの少しの変化が聴き手に伝わるように、妥協のないやりとり繰り返し行われていきます。
2人の距離が近づきながらも揺れ動く心情がしっとりと語られていますので、じっくりと聴いていただきたいです。

神谷さん演じる臣が、もう1つの「素顔」を慈英に見せるシーンでは、スイッチが切り替わったような艶を帯びた臣が現れます。
戸惑う慈英を誘う姿は、しどけなく艶めいていますので、注目してください。
また、臣への気持ちを打ち明けられない慈英のモノローグはとても切ないです。

2人が肌を重ねるシーンは、収録前に打ち合わせをしっかりと行い、互いの心情が聴き手に伝わるよう、細かな部分まで確認が行なわれました。
本番では、お2人の作り出す、しっとりと…そして濃厚な世界に引き込まれました。肌を合わせながらも揺れ動く慈英と臣の気持ちに胸が熱くなります。

 

数シーンを収録後、「2人の演技と技はやっぱりすごいねー」とガラス越しのお2人に笑顔を向けるプロデューサー。
その言葉が全てを表している通り、作品の世界観やキャラクターのイメージにぴったりとはまったお2人の演技は本当に素晴らしいものでした。
2日目の収録は、1日目と同様に、大きなリテイクなどもなく、ほぼ完成品といった常態での収録になりました。
キャストの皆さんの迫真の演技が見えない振動となって、ビリビリと感じられるほどの気迫に、聴いているスタッフもぐっと力が入ってしまうほどでした。

ラストカットの収録が終わると、「お疲れ様!こんなに順調に終わったのは、役者さん達のおかげだよね。いい芝居してくれてありがとう!」と、
プロデューサーがガラス越しに満面の笑みを浮かべます。三木さんと神谷さんも、ほっとした表情を見せていました。
キャストの皆さんの迫真の演技に、ただただ息を呑んだ2日間の収録は、無事に終了となりました。
本作は、「慈英・臣シリーズ」の第1弾。 2人が出会い、ここから新しい物語がはじまっていきます。
「慈英・臣シリーズ」第1弾、「しなやかな熱情」9月28日発売です!お楽しみに。

 

▲ 上に戻る

Copyright